連続30分話したら咳が出て肺まで痛くなった。肋骨の突っ張る感じは1回で治り
こんにちは、李哲です。
コロナ後遺症の治療例の続きです。前回の治療内容は以下をご覧ください。
2022-3-21
彼女の報告:
前回鍼をしてから3日間は咳が出なかったけど、3日後に出社して30分連続話したら咳が出て肺まで痛くなった。すごい疲れて今日まで疲れが取れない!
今日もうつ伏せと仰向け、両方鍼をしました。鍼治療が終わったとき聞いたら、肺はもう大丈夫。ただし、左肋骨下が突っ張る感じがするというので、内関の鍼を回したら一瞬で突っ張る感じは消えました。
喉が痛いのは前回から治り、喉に痰がからむ感じはまだある。
漢方薬は半夏厚朴湯+麦味参顆粒を飲んでいました。
半夏厚朴湯は喉の病気、例えば甲状腺疾患にも応用しています。以下はほかの漢方医の症例ですが、参考になると幸いです。
連続会話できる時間が、30分→1時間→3時間まで伸びた
2022-4-8
彼女の報告:
新しい漢方薬を飲んでから1時間は話せるようになった。(前回までは30分話すだけで咳が出て会話ができなかった)話さなければ調子が良い。
今日は生理1日目、お昼は生理痛がひどかった。先月も生理痛がひどいとき、鍼してもらって治ってました。
生理痛は基本的に鍼ですぐ治ります。
今までたくさんの女性患者で検証されました。
以下はもう一人の女性の例、参考になると幸いです。
2022-4-20
彼女の報告:
休まないで話せる時間は、最初の30分から今の2~3時間まで増えてきた。その後は空咳が出て、喉がカサカサする。ほかは便通・尿・睡眠は調子良い。
咳は治り、一日中仕事しても大丈夫になった
2022-4-27
彼女の報告:
今は普通に仕事している。
話し続けると疲れて、翌日の半分は倒れ込んでいる。
どれだけ話し続けているかを聞いたら、営業の仕事以外に夜は友だちと長電話をするそうです。私は思いましたが、これは相当の活動量ですね…他の人でも疲れるでしょう。異常だとは診断できないでしょうね…
今日の喉がカサカサする感は、魚際を刺してすぐ治りました。
風邪・インフルエンザが原因の喉の痛みには、魚際と違うツボです。関連の症例が一つあるので、参考にしてください。
2022-5-11
彼女の報告:
咳はもうなくなった。一日中仕事しても大丈夫。2日連続でハードな仕事するとキツイ。
咳はもう大丈夫なので、残りは頑固な生理痛を治すことです。なので、生理が始まる1週間前に来ることを薦めました。
倦怠感とだるさは治った
2022-6-1
彼女の報告:
生理1週間前なので来ました。
咳はないけど、2~3時間連続で話すとキツイ。ガッツリ仕事すると、翌日は倦怠感とだるさが酷い。
今日は大鐘、通里、大陵、内関などを刺しました。
鍼治療が終わるゴロ、彼女が言うのは「気のめぐりが良くなったのがすごい分かります!」
漢方薬は麻黄附子細辛湯+当帰四逆加呉茱萸生姜湯を飲み始めました。
2022-6-7
彼女の報告:
倦怠感とだるさは治った。
生理は28日周期で来て、生理痛はないが血の塊があった。
咳の主訴がないけど、脈がまだすごい弱いので、太淵を刺しました。ほかには陰陵泉、地機、三陰交、公孫、内関、太陽、関元、気穴、中脘など。
倦怠感で体がだるい患者さんは非常に多いです。以3年前に治療した若者の症例。コロナの疑いもありますが、さっさと治ったから病名はどうでも良いでしょう?
特に不調がないので卒業
2022-6-28
彼女の報告:
咳は再発してない。
週1くらいで偏頭痛がする。
足がむくんで、夢がとても多い。
今日は睡眠の不調もあるので、神門などを追加。
ほかに刺した列缺はめちゃくちゃ痛かったそうです。
鍼で睡眠の質を改善した例はたくさんあります。以下は一つの症例、参考にしてください。
2022-7-5
彼女の報告:
特に調子悪いところがない。
脈診すると、まだ弱いけど、以前よりは全然良いです。続けて有酸素運動で心肺機能を鍛えることを薦めました。
「万が一、生理痛が再発したら、また来てください」と伝えました。
今日で彼女は卒業。
治療過程を振り返る
今までの治療過程で起きたことを振り返ってみます。
2022-3-28から鍼治療に来て、2022-4-27の報告には1日中の仕事(つまり話し続けること)ができるようになりました。鍼治療を続けることで、肺が重い症状と咳が徐々に落ち着いて、連続に話せる時間が30分→1時間→3時間→1日中になりました。かかった時間は1ヶ月くらい。
ほかの伴う症状は、
- 朝起きたあと、胃液が上がる感じ(逆流性食道炎)は3回で治り。
- 左肋骨下が突っ張る感じは1回で治り。
- 寝付けられないのは1回で治り。
- 偏頭痛は1回で治り。
- 冷え性は1回で著しく改善。
- 寝込むくらいひどい生理痛は数回で著しく改善。
- 咳が治った後、仕事後のだるさ・倦怠感も鍼ですぐ治り。
最後脈診がまだ弱いので完璧には治ってないですが、養生さえちゃんとすれば残りは自分自身で治せると思います。
コロナ後遺症の咳を治すのに時間がかかった原因
一般的にかぜの咳を止めるのに、ここまで時間がかかりません。1回もしくは3~4回で治る。たとえば以下のような記事。
なぜ彼女は倍以上の時間がかかったのか?
答えは脈診。
最初、彼女の脈診をしたとき、寸脈が非常に弱くて潜んでいました。つまり、心臓と肺が弱いことです。もともと、コロナウィルスが肺を占領していじわるしているのに、寸脈が非常に弱いと回復が遅くなります。
寸脈は「陽」を表す指標で、一般的に強いほうが回復が早まります。また、鍼治療を重ねることで、寸脈がドンドン強くなり、体内の陽気も多くなります。
彼女の治療で毎度脈診するのも、漢方薬・鍼治療後に進度がどれくらいなのかを把握するためでした。脈診は診断にもなるし、治療効果のチェックにもなります。
コロナ後遺症は、みんな鍼で治せる
彼女の咳・肺が重い・倦怠感などはコロナ後遺症なのか、コロナ本来の症状なのか、正直私もよく分かりません。一つだけ知っているのは、病名を定義づけるのは無意味。
辛い症状が治ればいいでしょう?
そんなに病名を知りたいですか?
病名の診断ができないと納得できない。不安だから治療したくない→こういう患者さんは病院に行って下さい。私は拒否します。
コロナが流行る最初から漢方薬症例を翻訳しながら、鍼でも諸症状を治せると説明しました。今回書いた若い女性が、その中の一人。コロナ後遺症で困った患者は、ほかにもいます。まだ治療中の方がいれば、もうすでに回復した方もいます。今後一つずつ記事にするつもり。
(おわり)
コメント