こんにちは、李哲です。
私の子供を治した症例を紹介します。何を根拠にして漢方薬を選んだのかも書いてあるので、小さな子どもがいる親へ参考になると幸いです。
2023年6月8日(木)
4歳の長女、6/7(水曜日)の帰宅後からだるくて、珍しく夕方から寝てしまったそうです。
翌日私が見たとき、痰が絡んだ咳を連発して、鼻水すする、発熱でほっぺたが真っ赤でした。おでこを触ると明らかに熱い。体温計で計ったら39度近くありました。
体の中が熱いか寒いか、まだ具体的に表現できないので、外部の症状と観察で漢方薬を飲ませました。
小青龍湯+桔梗石膏。半包ずつ。ママが好きなチョコ味にしたので、ペロリと飲んでくれました。朝とお昼に飲んで痰が絡む咳はほとんど治り、少しだけ微熱があるくらいでした。念のため、夕方にもう一度飲ませ、翌日にはすっかり治って幼稚園に行きました。
子供だからでしょう。わずか1包、二回に分けて飲んだだけで治りました。ちなみに、漢方薬局に行くと、小青龍湯とかは1包100円くらいです。2包でせいぜい300円。病院に行って自費300円で何が治りますか?
よく公園でゴホゴホ咳しながら遊ぶ子供を見かけますが、きっと何日も治らない咳でしょう。漢方薬ですぐ治るのに、話すこともできないし、可哀そうだな…と思うばかりです。
子どもの気管支炎よ、肺炎よ、みんな適切な漢方薬を飲めばさっさと治ります。子どもと看病する親の苦痛が減るだけではなくて、めちゃくちゃ安い!
私の自宅は漢方薬の既製品で棚いっぱい、かわいい薬箱ではなくてまるごと1個の棚です(笑)。以前紹介した記事があるので、どうぞご参考にして下さい。
- 痰が絡む咳
- 発熱してほっぺが真っ赤
一般的に小青龍湯は体内が寒くて、痰が絡む咳がして発熱する症状とときに使います。キモは小青龍湯は体内が寒く感じること。もしくはベロが白。体内に熱がこもった感じがする、もしくはベロが黄色い場合、小青龍湯は合わない。
それでは、なぜ体内の熱を冷ます桔梗石膏を追加したのか?
1つ目の理由は、石膏があるので、解熱作用が強化できる。
2つ目の理由は、体内が寒いのか熱いのかはっきり分からないので、保険をかけるために寒熱両方とも使ったのです。
確定しない状態でよく漢方薬を使いますね。こんな処方の仕方、ずるいですね…と言われても仕方ないです。3歳児に体内が熱い?寒い?と聞いても無理だったから。事実上、効果は非常に良かったです。
私がヒントを思い出したのは、『傷寒雑病論』に乗せている小青竜湯加石膏。上記のセットだと、桔梗が増えただけ。ちょうど桔梗は喉の痛みと去痰作用が強いので、良しとして使いました。
人間の身体は非常に複雑なシステムで、単純に風邪を引いたら寒証、熱証だけではない。寒証が7割、熱証が3割など、混ざるケースも多いのです。このときは、体内の冷えを取る漢方薬と熱を冷ます漢方薬、両方とも使わないといけない。問題はその比例です。比例を間違えると効き目が少ない、もしくはありません。
鍼灸医の場合は治療がもっと簡単だけど、漢方薬の場合はだいぶ複雑になりますね。
(おわり)
コメント