子供の腹痛、発熱、下痢、お腹が張るのは一晩で治った。風邪を引いた時、下剤を飲んではいけない

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こんにちは、李哲です。
中国河南省、有能な女医(中医師):張静先生*1の治療例、又吐又拉发烧肚胀——葛根加半夏生姜汤(2017-2-6 発表)を翻訳しました。2歳児の腹痛、発熱、嘔吐、下痢を一晩で治した内容です

「風邪の治療中、肉を食べてはいけない。」
「風邪を引いたときは、下剤で便を出してはいけない」などの中医学理論も、勉強になると思います。

張静先生のもう一つの記事も面白いです。読んだことがない方は、どうぞご覧ください。

腹痛、発熱、嘔吐、下痢する男の子

Yan Yu Shuo、男の子、2歳。
昨日の午後、親が急いで抱っこして来ました。子供が発熱、下痢して嘔吐もあるそうです。

見た目で分かりますが、男の子は全然元気がない。お母さんが子供を肩に載せたら、子供はすぐ嘔吐が始まりました。吐いたのは、全部ネバネバの痰と水。

私はベロを見て、おでこを触ってみました。
お母さんが言うのは、「何を食べても吐きます。でも食べたがるので、食べ過ぎないように気をつけています。」

これで分かりますが、食べすぎからくる「食積」は排除。

子供をベッドに置いてみたら、お腹がパンパン腫れて、触ってもないのに「痛い痛い!」と叫んでいました。これは本当にお腹が痛いのはでなくて、ガスが溜まっているからツライのです。

鍼したのは中脘、関元、天枢、足三里、公孫、内関。その後、お母さんにマッサージの方法を教えて、普段からやってあげてくださいと伝えました。

風邪を引いたときは、下剤を飲むと悪化する

お母さんは一つの薬を出して、私に質問しました。
「この漢方薬、飲んでいいですか?」

私がみたら漢方製剤の「四磨湯しまとう」。

四磨湯にある生薬:人参

四磨湯にある生薬:人参

私はお母さんに説明しました。

「なぜこんなにお腹が腫れているか分かりますか?あなたが外側の病気を体内に引っ張って来たのです!もともと、子供はただの風邪でした。しかし、四磨湯は下剤なので、風邪のウィルスを外側から体内に誘導します。

これは戦いと同じ。敵はもともと城外にいたのに、あなたはドアを開けて中まで導き、敵が簡単に体内に入ったのです。『傷寒雑病論』で言うのは、病気が外側にある場合、必ず外側を先に解決しないといけない。下剤で攻撃するのはダメ。これは治療原則です!

お母さん「私は知りませんでした。子供が食べ過ぎるくらい食欲が良いので、食べ物がつまらないように、漢方薬の下剤を使ったのです。」

鍼したあと、お母さんがお腹のマッサージをしようとしたら、あまりにも腫れているので触ることすらできなかったです。触ると痛いと叫ぶ。

仰向けになれないから、子供はうつ伏せでお尻を高くして、お腹が浮いてるようにしていました。まるで蛙みたいな姿勢。

うつ伏せの子供、まるで蛙みたい

子供の発熱、腹痛は一晩で治った

見た感じはとても眠そうなのに、つらくて寝られず「痛い痛い」と叫ぶ。

一般的に赤ちゃん、子供は鍼したあと泣くけど、この子は全然泣かなかったです。お腹のほうが、よっぽど辛いからでしょう。

漢方薬を飲んで、すぐおならが出て腹痛が減り、諸症状も治ってきた

漢方薬の処方は以下。
葛根、麻黄、桂枝、芍薬、生姜、なつめ、炙甘草、乾姜、厚朴、半夏。1日分だけ。煎じ出したのは360ml。1回で30ml、3時間毎に1回飲ませるようにしました。

「熱が下がり、お腹の張りがなくなったら、漢方薬は飲まないでください。そして、もう一つ、肉は絶対にダメ。お腹空かせてもいいです」とお母さんに伝えました。

その後、お母さんはWechatで報告がありました。
「帰り道で、子供はたくさんのおならをしたあと眠れた。17時から20時まで寝たので、その間は漢方薬を飲んでない。」

20時過ぎて、お母さんから電話がありました。
「子供はだいぶ良いです。ただし、ご飯が食べたいとクズっています。」

電話の向こうで聞こえたのは、子供の「お腹すいたー!」の叫び声。お母さんは、お粥でごまかすそうです。

この子供は、本当に食いしん坊ですね!

翌日、また連絡があったけど、ほぼ治り。
1日分を飲みきらなくても、治りそうです。

李哲の解釈と感想

以下では、私の漢方薬に対する感想など述べます。個人的見解ですが、参考になると幸いです。

漢方薬には、使うタイミング(適応症)がある

子供の症状から見ると、一般的な風邪の症状があって、胃腸風邪の症状もあります。

胃腸の風邪は、下剤を飲んでいるから起きたもの。余計なお世話で、病気がひどくなったのです。だから、漢方薬もすべて良いとは限らない。

使うタイミングを間違えると、病状が悪化します。

悪化したとき、世間一般では漢方薬の副作用と言うけど、性質が違います。副作用ではなくて、処方の間違いだと言うべき。

生薬に関して、中国人でも間違った認識があります。鄭智城先生の反論する記事があるので、参考になると幸いです。

張静先生の処方箋の分析

張静先生の処方箋を見ると、葛根湯+半夏+厚朴+乾姜の感じです。葛根湯は日本でも有名な風邪薬。

  • 厚朴はお腹のガスを減らす。
  • 半夏は胃腸に溜まっている水、痰を取り除く。
  • 乾姜は胃腸を温める。

これで一撃必殺の効果があったでしょう。

近くにこんなすごい漢方医がいて、幸せだとしか言えないです。子供が病気になると、親が苦労しますから。すぐ治してくれる先生がいて、親はどれだけ楽で心強いでしょうか。

子供の風邪は、十中八九「葛根湯」

子供の風邪の原因は、遊びに夢中で汗をかいたときに、風邪(ふうじゃ)にやられたのがほとんどです。だから、子供の風邪は、十中八九が「葛根湯」。お子さんがいる家庭には、「葛根湯」がオススメの常備薬です。

ただし注意点があります。
風邪を治すとき、すべて葛根湯ではないので、気をつけてください。

他にも、風邪を治す漢方薬があります。その種類と作り方、適応症は以下の記事が参考になります。

鍼治療でも発熱、お腹がはるのを治せる

鍼灸治療に関しては、子供だからといって鍼が刺せないことはない。病院の太い注射針をブスブス刺しても大丈夫だから、鍼灸の鍼はさらに大丈夫です。

子供の鍼治療例は少ないですが、以下の過去記事は参考になると思います。

発熱とお腹にガスが溜まるのは、鍼治療でもすぐ治ります。

同じ症状で困っている方は、ぜひ漢方薬か鍼灸治療を受けてみてください。

*1:張静先生のご紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧んください。

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