こんにちは。李哲です。
下痢を2日で治したついでに、32年間カルシウム補給剤を飲んでも治らない筋肉がつる苦痛を、7日の漢方薬で治した例です。
作者は中国・河北省の有能な漢方医:張静先生*1。
中国語本文のリンク先は、32年的抽筋儿
(2019.5.29発表)
- 下痢止め薬でも治らい患者、治療中にお腹の筋肉がつった
- 首に鍼したら、ショック症状が起きた
- 2日後には下痢が完全に止まった
- 32年間もカルシウムを補給したけど、相変わらず筋肉がつる
- 全身の筋肉がつるのは、7日の漢方で治った
- 李哲の感想
下痢止め薬でも治らい患者、治療中にお腹の筋肉がつった
51歳の男性、ある日の午前鍼灸に来ました。
主訴は、お腹を壊した。
今日で2日目の下痢。1日目は下痢止めを飲んだけど、ちっとも効果なし。だから、彼は中医学の診療所に来たのです。
治療を始める前に、彼は突然「つる!」と言い出して、固まりました。1分経ってから彼が言うのは「お腹がつっています。」
最初、私は彼が鍼を怖がっているからだと思い、あまり気にしなかったです。
その後、脾臓の経絡のツボを刺して、彼が話しました。
「お腹はだいぶ良い感じです。首が辛いけど、鍼してくれますか?ちょっとでも寝る姿勢が悪いと首が痛くなり、頭痛までします。」
首に鍼したら、ショック症状が起きた
頚椎を検査してみたら、特に異常はなかったので、鍼をしました。
大椎と風池。
当時、彼は座ったまま鍼をして、うつ伏せではなかったです。
鍼をして数分後、彼は顔色が真っ白になりました。
鍼に対するショック症状が起きたのです。
すぐ彼を寝かせて、黄先生にブドウ糖を2本用意してもらいました。
彼はショック症状に落ちたけど、意識はハッキリしていたので、「大丈夫大丈夫、すぐ治ります。」と言ってました。
案の定、数分後に彼は落ち着きました。
彼が言うのは、「連日の下痢で体力もないです。だから、ショック症状が起きたでしょう。」
「確かに!」と私も思いました。
2日後には下痢が完全に止まった
翌日、彼の下痢はまだ治ってないので、もう1回鍼に来ました。
私が脈診してみたら浮いていて、体にも汗をかいているので、五苓散を1包あげました。
翌々日、彼の下痢は完全に止まりました。
今度は首の痛みを完全に治したいのが、彼の次の希望です。
32年間もカルシウムを補給したけど、相変わらず筋肉がつる
私は彼に聞きました。
「1日目のつるのは、なにが原因ですか?下痢したから?普段からつるのですか?」
「毎日筋肉がつりますよ。19歳から発作して、すでに32年経っています。睡眠不足の時はもっとつります。最初は手足だけつったけど、その後は首の筋肉、背中の筋肉を含めて、全身の筋肉がつるようになりました。首を回した時とか、寝る姿勢が悪かったりとか、話しているとき時とか、スマホを見てる時もつります。」
彼は病院に行ってみたけど、お医者さんの診断は「カルシウム不足!」
だから、彼は19歳からカルシウム補給剤を飲んでいます。
32年も補給したのに、まだカルシウムが足りないのか?
彼は不思議でしょうがないみたいです。
全身の筋肉がつるのは、7日の漢方で治った
中医学の理論で言うと、彼は血が足りないのが原因です。
頭痛、頚椎の痛み、筋がつる、夜は良く眠れない…全部血虚症で、漢方薬の治療が必要です。
処方箋は、呉茱萸湯+芍薬甘草湯のアレンジ。
1週間飲んでから、筋肉がつる症状は治りました。
でも、まだ睡眠の質が良くない。首の痛みと頭痛はまだあります。次の処方箋は、残りの症状を片付けるつもりです。
彼の32年の筋肉がつる苦痛は、本日で終了しました。
李哲の感想
呉茱萸湯の使用例は、李由香先生の過去記事にも出ました。
長年の頭痛の方には、参考になると思います。
足の筋、首筋がつる痛みに対して、もっとも簡単な治療法があります。
濃い黒糖湯を飲めば治るので、ぜひ試してください。
なぜ黒糖湯で治せるかは、以下の記事で説明しています。
黒糖湯でも治らない場合は、信頼できる鍼灸医に治してもらってください。
食べ物で治らない時は、治療用の鍼などを使わないと治りません。
張静先生の治療例で分かる2つの事
①手足がつる、首筋、背中がつるなどの症状は、カルシウム補給剤を飲んでも治りません。
血を補わないとダメなのです。
ニハイシャ先生は話しましたが、カルシウム補給剤では骨の強化になるところか、逆に骨がもろくなり、骨粗しょう症になります。
カルシウム補給したいなら、食べ物から摂取してください。
自然な栄養と人工的に合成された栄養の違いに関して、ニハイシャ先生の評論があるので、参考にしてください。
②下痢は漢方薬・鍼灸で簡単に治ります。
私が今まで治療した中で1番速かったのは、15分で下痢から普通の硬い便になったおじさんです。詳しくは以下の治療例をご覧ください。
五苓散は様々な病気を治せる
上記の五苓散は、下痢止に使う以外、ほかの作用もあります。
▼皮膚病(貨幣状湿疹)。
▼みぞおちが詰まってご飯が食べられない症状。
五苓散は体に水が溜まったときに使います。
水が腸に溜まったら、下痢になる。
みぞおちに溜まったら、胃が動かなくなるので、支えてもちろん食べられない。
西洋医学に慣れている人は、なぜ同じ処方箋でいろんな病気を治すか、理解できないでしょう。
源が同じなので、表の症状がいろいろでも、治す方法は同じ。
これが中医学の考え方です。
今溢れている乳がんも、ほかの癌・白血病などの源は同じです。
ニハイシャ先生の論文があるので、どうぞご覧ください。
鍼してショックに落ちた患者は少ないけど、たまにいる
上記の鍼に対するショック症状。
私も似た患者さんを見ました。
なんと、鍼を刺したら、口から泡を吐いたのです。
おそらく、はじめての鍼で相当緊張したでしょう。
2回目からはなくなりましたけど。
鍼灸院に来る人は、鍼を怖がっていたら来ないでしょう。
どうしても鍼が怖い人は、当院が再開した足つぼ整体を選ぶのもいいと思います。
最後に、張静先生の治療例を3つ貼りました。
いい勉強になると思うので、どうぞご覧ください。
*1:張静先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
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