こんにちは。李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生*1の記事を翻訳しました。
中国語本文のリンク先は、
(2014-02-27 02:16発表)
翻訳文
最近診た患者さん、治療中に自分の友人の話をしました。
風邪を引いて突然声が出なくなり、今は完全に声が出ない状況。
「なにかいい方法がないか?」と聞かれました。
聞いた主訴は鼻水が止まらない、喉が渇く、毎日大量の水を飲む。
私はパット聞いただけで、すぐ『麦門冬湯(ばくもんどうとう)』であると確信しました。
これは直感です。
脈診も要らない、直接に来て診る必要もない。
九九を覚えた人は、7×8はいくら?と質問された時、自動的に56!と言うのと同じです。頭を使う必要がない。
処方箋は麦門冬湯+桔梗。2日分を出して持って帰るようにしました。
2日後、患者さんは用事があってまた来ました。
その友人の状況を聞いたら、患者さんが言うのは、「初日の漢方を飲んで良くなったよ。翌日には声が出て話せるようになり、2日分を飲みきった時はほぼOK。今は少し鼻水が垂れるだけ。」
以前、似ているようなケースがありました。
知り合いが遠方からメール来て、風邪を引いて声が出ないそうです。
当時、私は大柴胡湯(だいさいことう)を使いました。
声はすぐ復活。
なぜなら、私は知り合いの体質をよく知っているから、正しい処方も自然に出る。
李哲の感想
漢方薬の聖典:『傷寒雑病論』の 素晴らしい所は、ある体の段階・ある病気の特徴をまとめています。そして処方箋も、簡単明瞭に作ったこと。
後世の漢方医たちは、わざわざ処方箋を考えなくても、『傷寒雑病論』の処方箋をそのまま使えば間違いないです。
この麦門冬湯は特徴があります。
鄭先生は患者さんの症状を聞いただけで、すぐ分かったのも素晴らしいと思います。
麦門冬湯(ばくもんどうとう)は日本に既成品が売っているので、ぜひ活用してください。
「中医学は脈診、舌診してから処方するのではないか?」と質問するかも知れません。
中医学の診断には、一般的に脈診、舌診が必要です。
一つの診断だけに頼ると、間違う時があるから。
しかし、上で説明したように、特徴がある症状は聞くだけで処方が出ます。患者さんは目の前まで来なくて良いのです。
血液検査、尿検査、CT検査などは余計なお世話。中医学にとっては全く要らない。
鍼治療の場合、風邪を引いたあと声が出ない時は天突、列缺、照海、膻中などで解決できます。これは難しくない。
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。
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