こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師、鄭智城先生1の症例、猪苓汤:一个肝癌自愈的女人_郑智城(2012-01-20 発表)を翻訳しました。肝臓がんが自力で治った不可解な症例だけど、世の中には治療しなくても良い癌が多いことを知ってください。
肝臓がんがあると言わない患者
今は珍しい物がどんどん増えて飽きていますね。しかし、私が経験した治療例は本当に珍しいもの。肝臓がんが自力で治った例です。
一人の女性、30代。
マレーシア華僑。
顔が白すぎて健康な感じではない人です。
彼女は友達の紹介で来ました。治療に 来た原因は尿が出にくい。しかも尿が熱くて、トイレに行くとつらい。
彼女が言うのは、「良くなったり悪くなったりしたけど、最近はひどくなってガマンできないレベルになりました。」
私の診療所には、たくさんのマレーシア華僑が来ています。私の感じでは、マレーシア華僑は中国人より礼儀正しく、伝統的な道徳観念が強い。彼らは関東語を話して、たまには方言も混ざります。
これは1年前の事、舌診と脈診はほとんど忘れました。でも、眼診ははっきり覚えています。彼女の虹彩は暗い。これは体内に瘀血がいっぱいあることを示す。 生理はきっと異常でしょう。心臓の区域も太くて短い血管があり、心臓の血管のつまりか若しくは心労が多いことを示す。

私は彼女の眼診をしてから、直接彼女に言いました。
「あなたの肝臓は大きな問題があります。」
彼女はびっくりして、少し考えてから言いました。
「私は肝臓がんがあります。」
私「本当ですか?!」
病院も放棄した肝臓がん患者、奇跡的に自力で治った
彼女は病気になる前後の経歴を詳しく話しました。
彼女の婚姻は不幸が多くて、常に大きな恐怖感とプレッシャーを感じています。おそらく、ご主人が暴力的だからでしょう。
数年前にシンガポールの病院で、彼女は「肝臓がん」だと診断されました。頭に来るのは、主治医がわざと距離をおいて遠い所から話すこと。彼女が伝染病でもあったように。
その先生は、はっきり言ったそうです。
「あなたの肝臓がんは治せないので、自宅で療養したほうがいいです。」
「自宅で死ぬのを待ってください」と言ってないだけですね。彼女は怒って自宅に帰り、何もしない事にしました。本当に死ぬのを待つだけ。
しかし、待っても待っても彼女は生きている。彼女はとてもつまらなくて、「こんなに死ぬのを待つより、なんかやろう!死ぬ前に少しでもなんかやろう!」と決めて、パン屋を始めました。
不思議と、彼女の精神状態がどんどん良くなり、身体の調子もどんどん良くなり、たまには漢方薬も飲みました。そして、ずっとパン屋を経営して来たのです。数年後に彼女がもう一度検査を受けたら、主治医が言うのは「癌は消えている、もう治りました」。
その後、彼女はアメリカに来ました。
中医学の眼診で、患者は肝硬変レベル
私は彼女の話を聞いて、アラビアンナイトでも見たように信じがたかったです。でも、信じざるをえない。なぜなら、中医学の診断で、彼女の肝臓は本当に悪いからです。
彼女の眼診をした時、私は言い回しで肝臓が悪いと言っただけ。本当は8割は肝硬変だと診断したのです。
彼女の婚姻が不幸であるのも信じます。
なぜなら、心臓の区域に太くて短い血管があるから。
私は彼女の話を信じるしかなかったです。
尿が出るとき痛い・熱い症状は治って、生理不順を治療し始めた
本題に戻り、彼女の小便の問題は治療しやすいものです。
中医学でいう『淋証』、しかも『熱淋』。ただし、彼女は腰が重だるい症状もあり、虚証だけではなくて実証も混ざっていたので、処方は猪苓湯3日分と補腎の処方3日分を出しました。
翌週、彼女は再診察に来ました。今回、彼女の顔色はだいぶ柔らかくなっていました。前回みたいに苦しくなってない。
彼女が言うのは「先週の薬はとても効きました!飲んですぐ分かります、大変感謝しています。今度治してほしい所は生理。」
私は思いました。
彼女の肝臓がとても悪いので、生理にも影響があるはず。
彼女が言うのは「生理はずいぶん前から来てないです。しかも便秘。お腹はいつも張って苦しいです。」彼女は指で下腹部を示してくれましたが、辛い所はちょうど大腸のあたり。
脈診してみたら、右の関が弦脈。舌診では思ったほど腻ではない。私はもともと大黄を使おうとしたけど、脈診と舌診が合ってない。
いろいろ検討してから、私は賭けることにしました。桃核承気湯、3日分。そして、飲んだあとに現れる症状も詳しく教えました。
2日後、彼女から電話が来ました。
「漢方薬を飲んでから、何回も下痢。しかも、熱い便が出るけど、これは正常ですか?」
私「正常です。体内の古い便が出ているので熱く感じます。下痢のあと、疲れた感じがしますか?」
彼女「疲れはしないです。」
私「じゃ、大丈夫。そのまま飲み続けてください。」
李哲の感想:患者は怖い病名を知らないほうが長生きする
肝臓のことを話すと、以前翻訳した記事が思い出します。
ところで、肝臓癌が自分で治るのは初めて聞きました。詳細は分からないけど、おそらく彼女が死に対する恐怖感がないのと、西洋医学の治療を受けてないのが最大の原因だと思います。
がん治療で難しいのは、患者さんが自ら生きる力を捨てるのと恐怖感。癌に対する恐怖感があると、治療効果はなかなか出ません。
精神状態はとても大事です。毎日「どうせ自分の癌は治らないんだ」「もうすぐ死ぬんだ」と嘆いて落ち込む人は、何を飲んでも効き目がありません。
自分の病気を忘れる。
西洋医学の暴力的な治療を受けてない。
これが彼女が生き残った理由だと思います。
上記の女性みたいに、「癌を思わないで有意義なことをやろう!」と頑張って生きる人は、何人くらいいるでしょう?
多くの人は脅かされて、恐怖を浴びながら死んでいきます。もしくは、西洋薬の副作用に殺される。
癌細胞は誰でも持っています。今の90歳、100歳の年寄りの体には、必ず〇〇癌があります。しかし、知らない人のほうが多い。多少の不調があっても、みんな楽しく老死するまで生きているのです。これは以下の記事でも討論しました。
癌は本当に治療する必要があるのか?
西洋医学にとって、これは盲点です。悪性腫瘍かどうかが判断できないから全部切っちゃう、全部殺す。患者も一緒に殺してしまう。がん治療はビジネスになって、患者さんのためになる医学からは、遠ざかったような気がします。
私の考え方ですが、怖い病名に関して、患者さんは何も知らないほうが良い。特に癌患者は、自分が癌だと知らないほうが長生きします。
(おわり)
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
↩︎倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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