こんにちは。李哲です。
アメリカの中医師:李宗恩博士*1の漢方薬治療例を翻訳しました。
中国語本文のリンク先は、
(2011.1.29 発表 )
- 両手指の関節が重だるくて痛い、冷え性、首肩が痛いなど様々な症状がある患者
- 漢方を飲んでから、手指関節痛は消え始め、胃痛は治り上半身がほてるのが治った
- 手指関節痛は7~8割良くなり、首肩が辛いのはだいぶ良くなって、冷え性が改善
- 数年の手指関節痛は完全に治り、ほかの症状もほぼ消えた
- 李哲の感想
両手指の関節が重だるくて痛い、冷え性、首肩が痛いなど様々な症状がある患者
40歳の女性患者、体型は中。
以下は詳しい自覚症状です。
- 両手指の関節が重だるくて痛い。
- 肘もたまに痛い、首肩も辛い時がある。
- よく足がつる。
- 左のお尻がつらくて、押してほしい。
左膝は手術したことがあるそうです。
以下は問診内容です。
舌診:黄色い、湿気がある。
脈診:遅い、無力。
小便:中の黄色。
消化不良で下痢しやすい。たまに胃痛がある。
夢は多くて汗をかきやすい。(寝汗はない)
喉は渇く、常温の水が飲みたがる。
手足は冷たくておでこは熱い。
両ほっぺは赤い。
見た感じでは、患者さんは落ち着きがないようでした。患者さんが言うのは、体が熱くなりやすく疲れやすい。2~3週間に1回は心臓の鼓動が早い気がする。生理は27日周期で、量は少ない。
寒気と湿気が下腹部と関節にたまり、陽気が下まで行かないで逆流するのが主な原因でした。もちろん、ほかにも小さな原因があります。
漢方を飲んでから、手指関節痛は消え始め、胃痛は治り上半身がほてるのが治った
とりあえず、処方箋は以下の通りにしました。
桂枝 芍薬 甘草 麻黃 加工したトリカブト(附子) 白朮 知母 防風 黄芩 生地黄 なつめ 生姜 石膏
【▲桂枝の画像】
飲んだ後、患者さんの全体的の変化は良かったです。
両手の手指関節痛は減り始め、胃痛は治り、黄色い舌苔は消えて上半身の熱はだいぶ消えました。ただし、首肩こりはまだあります。
手指関節痛は7~8割良くなり、首肩が辛いのはだいぶ良くなって、冷え性が改善
処方箋を以下の通りに変えました。
厚朴 生姜 半夏 党参 炙甘草 加工したトリカブト(附子) 桂枝 白朮 茜草 丹皮
漢方薬を飲んだ後、手指の関節痛は7~8割良くなりました。首肩が辛いのはだいぶ良くなり、手足も暖かくなり、脈診も緩・有力の脈に変わりました。
睡眠の質があまり良くなくて、ヨガしたあとは筋がつるそうです。
数年の手指関節痛は完全に治り、ほかの症状もほぼ消えた
前回の処方箋に酸棗仁湯を加えて、以下の処方箋になりました。
酸棗仁 炙甘草 知母 茯苓 川芎 厚朴 生姜 半夏 党参 加工したトリカブト(附子) 桂枝 白朮 茜草 丹皮 防己 黄耆
【▲白朮の画像】
漢方薬を飲んだ後、患者さんの数年の関節痛は完全に治り、様々な不思議な症状がほぼ全部消えました。
患者さんは非常に調子がいいそうです。
現在、長時間のパソコン作業で手と腕・膝が辛くなるそうです。鍼をしたあと、腕と膝が辛いのはだいぶ良くなり、彼女は現在も毎週鍼治療に通っています。
李哲の感想
李宗恩博士の最初の処方箋は、「桂枝芍薬知母湯」をベースにしています。その後は、「甘草附子湯」+「半夏厚朴生姜人参甘草湯」+ほかの瘀血をとる生薬。
「桂枝芍薬知母湯」と「甘草附子湯」は関節痛を治す有名な処方箋です。
日本には「桂枝芍薬知母湯」の既製品があるので助かりますね。使ったことがないので、効果がどのくらいあるかは分かりませんが、ないよりはマシです。肝不全と腎不全を作り出す鎮痛剤と比べたら月とスッポン。
手指関節痛に対して、鍼治療の効果はとても良いです。
以下は一つの過去治療例。
目がチカチカする閃輝暗点症を治すついでに、手指関節痛も一緒に治した例です。参考にしてください。
首肩がつらいのは、鍼治療の得意分野でしょう。
今まで治せなかったのがありません。
以下は一つの症例、参考になると幸いです。
夢が多いのは、心臓の問題なので、完全に夢がなくなるまで時間がかかるかも知れません。
上記の患者のつらい諸症状、病院に行ったら様々な科にたらい回しされるでしょう。
鍼治療は一つの治療院で済みます。
しかも、確実につらい諸症状を治せます。
◆リウマチの痛みは1回の鍼で1週間持つ。関元を刺すと、ばいあぐらみたいに「元気」になる
◆糖尿病の足潰瘍は、きび砂糖の足湯で簡単に治る。脾腫、肝硬変、腎不全の女性、漢方薬飲んでからよく眠れて、たくさん食べられるようになった。
◆天気痛は漢方薬9日分で治り、大雨が来ても全身の関節は痛くなくなった
◆乳がんのしこりが小さくなり、睡眠も良くなった女性。1週間で血糖値が120まで下がった男性。10年の関節リウマチの痛みが治り、変形した関節まで戻ってきた女性。
*1:李宗恩博士の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。
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