貨幣状湿疹で顔が腫れ、黄色い浸出液が止まらなかった40代女性が、鍼治療と漢方で劇的に回復した3話構成の症例シリーズです。
円形湿疹の悪化・好転反応・完治までの流れを写真つきでまとめています。
👉 シリーズ全体はこちら https://li-hari.net/kaheizyou-sissin-hari-tiryou-matome
こんにちは、李哲です。
貨幣状湿疹は、ストレスや皮膚の乾燥で悪化しやすく、丸い円形の赤い湿疹が強いかゆみを伴うのが特徴です。
今回紹介する40代女性は、両腕に10cm級の円形湿疹が広がり、滲出液が止まらない重症例でしたが、鍼治療で改善しました。
貨幣状湿疹とは?丸い円形湿疹ができる理由
貨幣状湿疹は、丸い円形の赤い湿疹がポツポツと広がるのが特徴で、強いかゆみや乾燥を伴います。
皮膚のバリアが弱くなると、汗や摩擦、ストレスなどの刺激で炎症が悪化しやすく、同じ場所に繰り返し再発することもあります。

ストレスで貨幣状湿疹が悪化する仕組み
ストレスが長期間たまると、皮膚に悪影響が出ます。
中医学理論で長期のストレスは、「肝気鬱結(かんきうっけつ)」を引き起こします。肝は陰陽五行説でいうと「木」。一般的に「木」に勝つのは「金」(肺)です。ところで、「木」が強すぎの場合、この相克関係は逆転し、「金」(肺)がいじめられるようになります。
「金」(肺)が司るのは皮膚。
肝臓にストレスの毒素がたくさん溜まると、皮膚に悪影響が出る。
以下、張静先生の症例を見ても分かりますが、皮膚のかゆみはストレスが大きな原因です。
🔗ストレスで全身が猛烈にかゆいのを漢方で90%改善した60代女性の症例
40代女性の症例|ストレスがキッカケで爆発した貨幣状湿疹
先に患者さんの簡単な紹介をします。
女性、40代。足つぼ整体のお店のときから来てましたが、鍼灸院になってからは、皮膚病のために鍼治療を続けていました。
彼女は小さい時に皮膚のトラブルがあって、ステロイドで治したそうです。使ったのは子供の時だけで、脱ステしてからだいぶ年数は経っている。最近またあちこちに湿疹が出始めました。
湿疹が出たキッカケは、育児と仕事、いろんな方面でのストレス。

ステロイド剤をたくさん使って、完治したように見えますが、本当は治っていません。薬でふたをして、症状が出ないように抑え込んだだけ。ストレスがたまり、免疫力が弱くなった時は中から爆発して現れるのです。
今回は蓋を閉めた所から爆発したので、そうとう手を焼きました。彼女の治療は、もとの皮膚を治すと言うより、化学薬品の毒素との戦い。
鍼治療は2ヶ月ほどかかりましたが、状況が良くなったので記事にすることにしました。画像撮影など協力して頂いた彼女に感謝します。
慢性的な皮膚病は、一般的に3ヶ月を目安にしたほうが良いです。焦っても内臓は急激に変わるものではないので。例えば繰り返す蕁麻疹(じんましん)。治すのには時間がかかります。
両腕に10cm級の楕円形湿疹+浸出液が止まらない初診時の状態
以下は施術記録。
2018-6-8
今日は初めての鍼ではない。
以前から2週間~1ヶ月に1回きました。
今回来た理由は、貨幣状湿疹が大量に発作。「しっかり治すために、週2回くらい詰めて来たい」と彼女は言ってました。
貨幣状湿疹が起きたきっかけを聞いたら、家の引っ越しでゴムの手袋を肘まで装着して作業したら手が蒸れたのか、肘下まで赤かゆい湿疹が発生したのです。
発生した部位は、主に右前腕と右合谷穴あたり。右前腕のは広い範囲で大きな楕円形の湿疹ができて、中から滲出液が出ていました。
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以前、足に出た楕円形の湿疹は、少しだけ再発しそうな気配があるけど、今のところは大丈夫。
唇の上は、まだ赤く腫れている。
目のかゆみは、以前の鍼でだいぶ楽になったけど、少しだけ気になる。
今日鍼したのは合谷、二間、曲池、三陰交、血海、築賓、内関、内廷、足三里、地倉、関元、中脘、巨闕、天枢。委中では刺絡。

目がかゆい症状は、比較的に治しやすいです。太衝穴一つだけで十分。以下は一つの例、参考にしてください。
なぜ昔ステロイドを塗った場所からだけ再発するのか?
皮膚の事に関して、彼女は昔のことを教えてくれました。
「小さい時から皮膚のトラブルがあって、病院の診断では貨幣状(かへいじょう)湿疹。毎年秋冬の頃から発作し、円型の湿疹が伝染されたように徐々に広がり、翌年の夏になると治ってきました。
当時は唇の周りにも湿疹ができて、ステロイド剤をよく塗ったのを覚えています。今赤痒くて腫れている唇の上が、ちょうど昔ステロイド剤をよく使った部位です。」

私は彼女に説明しました。
「昔ステロイドを塗ったところに毒素が潜んでいたから、今はその所から出ています。解毒を進めば、徐々に良くなるはずです。」
ここで分かりますが、ステロイドを塗ったところは、大人になってから再発する可能性がある。しかも、塗ったところに再発。
ほかの漢方医の治療例を見ると、ステロイド剤はひどいうつ病も引き落とします。湿疹・発疹は治せない。自殺に追い込む副作用まである。
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鍼治療で滲出液が減り、赤み・腫れが改善した経過
2018-6-12
彼女の報告:
前回漢方薬を煎じて皮膚に塗ってみたけど、逆に痒みが増えて止めた。家にある菊のアロマ精油を塗ってみたら痒みが楽。

前回私が診た時は、患部から滲出液が多く出ていたけど、今日見た限りでは出てなかったです。乾いて白く裂けている模様が見える。前回の鍼して、唇上の腫れは引きました。
皮膚がボロボロ剥いて脱皮するのは変化なし。
便通を聞いてみたら、粘土様の便です。毎日ではないが、たまに黒い便が出る。
黒い便が出る患者さんは他にもいました。以下の記事、参考になると幸いです。
彼女は去年、胃酸逆流の症状もあったので、今の黒い便は胃腸に溜まっていた瘀血が出て、便が黒いと思います。
病院の先生のアドバイスで○○酸を飲んでから、便の色がだいぶ黄色くなってきた。彼女が言うのは、「最近皮膚が強くなったのか、掻いても腫れて滲出液が増えたりはしなくなりました。」
粘土様の便は、以前虫垂炎・胆のう炎の患者さんを治療する時も現れました。詳しくは以下をご覧ください。
ステロイドで「一時的に消えただけ」の残酷な仕組み
余談話ですが、ステロイド剤は私が大嫌いな薬。
これに対して、きっと理解できない方がいるでしょう。「皮膚の痒みがすぐ消えるし、ひどい湿疹も消えるから良いのではないか?」
あなたはステロイドの被害者を見てないから、こう言えるだけです。確かに、使って翌日には湿疹・痒みなど消える。しかし使い続けると、ステロイド剤を止めた時にもっとひどくなります。そして、薬が段々効かなくなり、もっと強い薬を塗らないとダメ。
徐々に皮膚の穴が死んで、汗をかくことができない。最後は皮膚が象の皮みたいに硬く厚くなり、かゆみが慢性化するケースもあります。
ステロイドを使わなかったら、こんなことになったでしょうか?
副作用はこれだけではない。ほかには肝臓と腎臓と心臓が壊れるので、いわゆる多発性筋炎(皮膚筋炎)などの難病にもなります。多発性筋炎・皮膚筋炎が鍼と漢方で改善した症例に出ている、被害者のストーリーを読んで見れば私の怒りが分かります。
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