「期外収縮があります。必要なら心臓の神経を焼く治療もあります」
30代男性は、会社の健康診断でそう言われました。
しかし彼は、すぐに手術を選びませんでした。
なぜなら、重度便秘・動悸・湿疹など、体全体に異変が出ていたからです。
中医学では、不整脈は「心臓だけの病気」とは考えません。
今回は、脈が2回に1回飛ぶほどの不整脈が、鍼治療でどう変化したのかを記録します。

不整脈・期外収縮と重度便秘の30代男性
患者さんは男性、30代。
最初の鍼治療をしたのは2017年4月7日。
以前足つぼ.整体の時も来ましたが、今日鍼を受けたのは初めてだそうです。
彼が言うのは、去年の健康診断には心電図検査がなかった。今年から心電図検査があって、「期外収縮がある」と言われ、今後は産業医と面談があるそうです。病院の先生は、心臓の神経を焼き切る治療法があると言ったけど、彼はどうしても納得できず、鍼治療を求めて来たのです。
彼の主な症状は以下の通りです。
●昔2週間に1回はあった後頭部の頭痛、今は月1回くらいに減っている。
●去年の11月くらいにひどいアトピーになり、今はだいぶ良くなったけど、腕と首の横の真ん中あたり。三角筋、お尻の上部にまだ少し残っている。
●心臓のドキドキはたまにある。自分でも脈を測っているが、たまに脈が飛んでいく。つまり、不整脈。
●便秘がひどくて3~5日に1回。
5日も便が出ないと、さすがにお腹が痛くなるそうです。
舌診では、全体的に赤い。舌苔が少ない。
不整脈と便秘は鍼でどう変化したか
以下からは鍼治療しているときの変化と私の解釈です。
1〜2回目:不整脈が強く、便秘も3〜5日続く
今日刺したツボは中脘。巨闕。関元。支溝。照海。合谷穴。曲池。血海。三陰交。築賓。公孫。太衝。後渓穴。束骨。
後頭部の頭痛とアトピーを治すためのツボが多かった。心臓を治すのは、お腹のツボと公孫。

置鍼中にお腹が、ぐるぐる鳴っている音がしました。
2017年4月12日、2回目の鍼です。
彼の報告:
腕の湿疹(アトピー)は良くなり、首回りの湿疹はまだある。脈は昨日まで良かったけど、昨日は脈が飛んだ。昨日からちょっと後頭部の頭痛になりそう。
今日脈診してみたら、2回に1回止まる。かなりひどい不整脈でした。
前回の針の後、3日後に便通が来たそうです。一般的に鍼して翌日には便通があるけど、彼の場合は3日後。本当に頑固な便秘です。今日は支溝をなくし、内関と間使を追加。心臓を更に強化する為です。
湿疹は足つぼ整体で1回でよくなった例がありました。あくまでも稀なケースですが、以下の記事、参考になると幸いです。
3〜4回目:脈の乱れが減り、便通も改善
2017年4月15日。
彼が言うのは、前回と同じように脈が飛んでいた。私が脈診してみたら、前回は2回に1回飛んだけど、今日はたまに3回に1回飛ぶ。7~10回に1回飛ぶのが多かった。不整脈の間隔が遅くなっているので、前よりは進歩しています。
便通は前回の針の後、4日後に便通があったそうです。前々回は3日後に便通。本当にひどい便秘です。
今日の針は背中も刺しました。
背中の時はお腹がぐるぐる動いたけど、仰向けの時は動いてない。
🔎合わせて読みたい:足三里でお腹がゴロゴロ鳴った症例
2017年4月19日、4回目の鍼。
彼の報告:
前回の針の後、翌日は脈拍がとても良かった。その後はたまに飛ぶそうです。
今日の脈診では強いのが2回あって、その後はすぐ小さいのが来ている。前の2回あって、3番目はなくなるのではなくて、小さく動いている。
全体的の脈は有力。緩。
便通は2日に1回ある。でも、食べる量から見ると少ないそうです。
今日もうつ伏せと仰向け、両方はり治療例をしました。彼が言うのは、お腹と手のツボはめちゃくちゃ響いたそうです。
頑固な便秘の患者さんは、数年前、足つぼ整体をした時にも経験しました。当時も治すのに、回数がかかったけど、この男性患者よりは治るのが早かったです。以下の記事、どうぞご覧ください。
5〜7回目:毎日便通が出始め、不整脈も安定傾向
2017年4月21日。
彼の報告:
便通は毎日あるようになった。
昨日、一昨日は自分で脈をみたらとても良かった。
私が脈診してみたら、1回若しくは3回若しくは7回で脈が飛ぶ。まだ不規則に飛んでいるのでダメです。
2017年4月25日。
6回目。
彼が言うのは、脈がけっこう正しく動いている。便通は1~2日に1回。
2017年4月28日。
7回目。
彼が言うのは、普段は脈が大丈夫だけど、食後に乱れやすい。便通は鍼した3日後にあったそうです。
今日刺したツボはほぼ同じ。
心臓強化と便通を良くするためのツボです。
頑固な便秘を治すとき、漢方薬も一つの選択肢です。以下は年寄りの便秘を治した記事、どうぞご参考にしてください。
8〜10回目:食後に不整脈が再発、花粉症症状も出現
2017年5月1日。
彼が言うのは、昨日自分で脈を見たら2回に1回飛ぶ。今朝は正常。今朝は便が大量に出たけど、その前はなかった。花粉症なのか、鼻水とくしゃみが多い。以前も花粉症の症状があって、鼻水.くしゃみが出るのが多かったそうです。
私が脈診してみたら、尺脈>寸脈。これは腎臓の隠れるはずの陽気が、浮いてきた事です。つまり腎虚証とも言える。
🔎合わせて読みたい:「腎虚」の具体的な症状、『黄帝内経』をもとに詳しく説明。西洋薬が腎臓を殺している証拠も話す
寸脈は右>左。左右のバランス的には良い。
関脈は沈。消化系がまだダメです。
寸脈は2回大きく動いて、その後は消えるのではなくて、小さい動きが1回ある。つまり、心臓このエンジンは1回から振りしています。
今日はいつもの鍼以外に、花粉症のための迎香穴.上星.通天など追加。

2017年5月4日、9回目の鍼。
私が脈診してみたら、左の寸脈は緩.有力。大きいのが2回来て、小さいのが1回来るのはなくなった。右の寸脈は細弱。これは肺の中にまだ寒気があることを示す。尺脈はまだ浮いているけど、前より引っ込んでいる。
寸脈の強さは、左>右。
バランス的に崩れている。
彼が言うのは、「風邪の残りなのか鼻水はまだある、前回の針の後に減ってるけど。便通は前回の針の後まだないです。」
🔎合わせて読みたい:鼻水が止まらない!透明でサラサラな鼻水を鍼1本で2日で治した実例
2017年5月11日。
私が脈診してみたら、前回と同じくらい。尺脈がもう少し中に引っ込んでいる。
彼が言うのは、便通は毎日あるけど量が少ない。
前回の針の後、脈はすごく良かったけど、最近は良くなったり悪くなったりする。
まとめ
便通は改善し始め、不整脈も以前より安定してきました。
しかしその後、患者さんは「胃の横が重い」「自分の心臓の音が聞こえる」など、新しい異変を感じ始めます。
後編では、不整脈と便意消失・湿疹・動悸との関係、そして2019年の追跡結果まで詳しく紹介します。
↓後篇へ続く↓

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