こんにちは、李哲です。
簡単な鍼治療例を紹介します。
一人の女性、30代。
坐骨神経痛みたいに大腿部(ふともも)がしびれるのではなくて、右膝の裏だけがしびれる不思議な症状がありました。
坐骨神経痛だったら、環跳穴を刺して終わりですが、この症状は今まで見たことがない。しびれる範囲から見ると、足の後ろを通るのは膀胱経しかないので、治療としては膀胱経のツボを選びました。腎兪と大腸兪、2つのみ。
彼女が言うのは、うつ伏せになっても右膝の裏がしびれるのが分かる。腎兪と大腸兪、この2つで足りなかったら、左の委中と陰谷を刺すつもりでした。委中と陰谷は腰痛を治すときに有名なツボです。以下は一つの症例、参考になると幸いです。
もし、腎兪と大腸兪を刺してしびれるのが緩和するなら、陰谷と委中は要らない。受けてみた人は分かると思いますが、電気が流れるような響きがあります。
針を刺して30分後に取って、彼女は試しに歩いてみました。その後彼女が言うのは「しびれがほとんどなくなった。1~2割くらい残っている感じです。」
とりあえず、委中と陰谷は要らなくなりました。翌日、彼女から話を聞いたら、しびれがまた8~9割くらいに戻ってきたのです。歩く分には支障がないけど、どうしても変ですよね。
???
だったの1日で戻った?
その後、彼女はすぐ生理が来て、生理が始まったらしびれが完全に消えたそうです。
私は彼女の報告を聞いて分かりました。生理前に気血の流れがうまく通らなくて、腰側の膀胱経に影響が出たでしょう。膝の裏には大事な3つのツボが並んでいるので、反応が出たかも知れません。
最初から生理の調子を治す、腹部のツボが良かったかも知れないです。次回からは腹部の生理を整える関元、中極、巨闕などをメインにして、治療してみるつもりです。
表の現象に囚われず、根本的な原因を見極めるのはなかなか難しいですね…自分の勉強不足を痛感しました。
(おわり)
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