歩くと足がしびれる、膝の痛みが増える男性、漢方薬40日ですべて治った

この記事は約5分で読めます。
歩くと足がしびれる、膝の痛みが増える男性、漢方薬40日ですべて治った

こんにちは、李哲です。
中国河北省石家荘市の女医、張静先生1の症例、半月板撕裂( 2019年11月21日発表)を翻訳しました。

半月板損傷に関して、西洋医学では手術するのが多いですが、中医学ではメスを入れないでどう解決するのか?今日の翻訳文が参考になると幸いです。

たくさん歩くと足がしびれる、膝痛が増える男性

男性、37歳、職業は長距離の運転手。ある日、車から飛び降りた時、膝を痛めて歩けなくなりました。病院に行って検査してみたら「半月板損傷」。そして、手術を薦められました。

彼は自分で調べてから保守的治療を取り入れて、少し西洋薬を飲んで安静することにしました。ところで、1ヶ月後も足はまだ腫れたままで、たくさん歩くと足がしびれる。階段を登るのがとても困難で、膝の痛みが増えました。

李哲の説明:
足のしびれはケガが原因のときもあれば、病気そのものが原因のときもあります。西洋医学は坐骨神経痛、椎間板ヘルニア、脊椎狭窄症、半月板損傷など様々な病名をつけるけど、中医学はシンプル。以下は中医学理論をもとにして功を奏した症例。参考になると幸いです。

足のすねがしびれる、腰が痛くて前屈できないのは6回でほぼ治った【足つぼ整体】

彼のおばさんはちょうど私の親友。だから、おばさんは私を紹介したのです。

彼は体がガッチリしているけど、朝起きたときに口が苦い・足が明らかに腫れて歩くのが大変でした。

漢方薬20日で痛みがだいぶ良くなり、40日くらいでは治った

1回目の処方箋は、小柴胡湯しょうさいことう+瘀血をとる生薬。20日くらい飲んでから、痛みはだいぶ良くなりました。ベッドで安静する必要がなくなり、少し歩けるようになりました。でも、まだ足の腫れはあります。

今度は二妙散にみょうさん甘草附子湯かんぞうぶしとうをアレンジして10日処方。1ヶ月経たないうちに彼は再び仕事を始められ、長距離運転もほぼ大丈夫になりました。

彼は自分が治ったと思ったけど、1回だけ漢方薬をもらいに来て、治療効果を強固することにしました。煎じ薬を処方した時、私は外用の粉薬も処方して、彼の損傷した関節が早く治る事を狙い。

治療して40日くらい経ってから彼が言うのは、「ほぼOKです。痛みもないし、歩くのがだいぶ軽いです。ただし、痛めてない足と比べるとなんか違って、ちょっと筋が張る感じです。」

私「皮膚が張っている感じですか?筋?筋肉が張る感じ?」
彼が指した場所は、関節と関節のくぼみの所。

処方箋:甘草附子湯かんぞうぶしとうのアレンジ。

治療過程の分析

明らかに分かるのは、損傷で膝関節の動きが駄目になっています。当時、彼は口の中が苦いなどの少陽症があったので、小柴胡湯しょうさいことうに瘀血を取る生薬を入れたのです。

20日治療してから痛みがだいぶ良くなり、腫れは引いてなかったです。外から触るとまだ熱い感じ。だから、中にはまだ瘀血がつまっていると判断。陽気を強化して瘀血をとる生薬を使いました。

最後、筋が張っている感じはまだ血が足りない事を示します。中にはまだ瘀血があるかも知れません。だから、芍薬甘草湯しゃくやくかんぞうとう最後の片付けをしたのです。

李哲の解釈と感想

半月板損傷≠小柴胡湯

一般的に半月板損傷に小柴胡湯しょうさいことうを使う発想はありません。張静先生が処方した理由は、口の中が苦い少陽症があるからです。

漢方薬はあなたの病名で処方するのではなくて、あなたの症状です。例えあなたが膵臓がん・白血病だとしても、口の中が苦い症状があったら小柴胡湯を使います。

口の中が苦いのは鍼治療でも簡単に治ります。以下の鍼治療例、どうぞご参考に。

記事中の漢方薬に対しる簡単な解釈

次は処方箋の解釈をします。

二妙散にみょうさんの組み合わせは、蒼朮+黄柏。
蒼朮は湿気をとる。
黄柏は抗炎症作用があります。

甘草附子湯かんぞうぶしとうの組み合わせは、炙甘草+加工したトリカブト(附子)+白朮+桂枝。主に足・膝が腫れて痛いときに使います。痛風もしくは変形性膝関節炎…とにかく、下半身が腫れて痛いときに使うケースが多い。

痛風は漢方薬以外に、足つぼもしくは鍼治療でも治せます。以下は一つの過去記事、参考になると幸いです。

芍薬甘草湯しゃくやくかんぞうとうの組み合わせは名前とおり、芍薬と甘草2つのみ。だったの2つですが、ちゃんとした効能があります。血を養う作用が強いので、足がつる・筋が張る症状に有効ですね。

ちなみに、足がつるのを治す最も簡単な飲み物があります。以下の記事で紹介しているので、どうぞご覧ください。

膝の痛みには鍼も効果バツグン

膝の痛みが捻挫が原因であろうとスポーツで痛めてあろうと、病名を問わず鍼治療はすべて有効です。

以下は2つの鍼治療例。
①筋トレで膝を痛めた男性、計7回で膝の痛みが消えました。
②半年も治らない膝痛で足を引きずりながら歩く女性、鍼で著しく改善した例。

西洋医学の手術は有効かも知れません。しかし、手術は不可逆的なので、万が一片方の筋が短い・関節の合わせがズレた場合、後遺障害が残ります。その時はどうしますか?

鍼治療は副作用がありません。
手術みたいに1回で終わらないけど、数週間~数ヶ月の時間をくれれば治ります。

(おわり)

  1. 張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

    ↩︎

コメント

タイトルとURLをコピーしました