鼻淵丸2週間飲んで花粉症が著しく改善した女性の例で、鼻淵丸が花粉症に効く機序を説明します。

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鼻淵丸を2週間飲んで、花粉症が著しく改善した女性

こんにちは、李哲です。
花粉症が治った女性から聞いた話を書きます。

彼女が言うのは、「中国で勉強した日本人の先生が、この漢方が効くよ!と紹介して、とりあえず1ヶ月分(1万円くらい)を買ったら、2週間でウソみたいに軽くなりました。漢方ってこんなに効くものですか?!」

彼女のビックリする気持ち、よく分かります。
鍼灸・漢方薬への不信感・絶望から堅実な擁護者へ:中医学の信者の道で書きましたが、私も途中で漢方を信用しなくなったからね。

彼女から漢方の名前を聞いて成分を調べたけど、効かないわけがないと思いました。花粉症で苦しんでる方は試してください。漢方の名前は、鼻淵丸びえんがん

鼻淵丸が花粉症に効く機序

なぜ鼻淵丸びえんがんは花粉症に効くのか?
どんな人に効くのかを説明します。

先に成分を見ましょう。
以下はイスクラ産業株式会社のサイトからコピーしたもの。

ソウジシ 21.600g
シンイ 4.129g
センソウ 1.406g
キンギンカ 1.406g
キクカ 1.406g

1番含有量が多いソウジシ(苍耳子)の効能は以下の通りです。

性質は辛、苦。
温める作用があって、肺経に入る

また小毒があるので長期的の服用は禁ずる。

風寒を発散し、鼻を通す、湿気を取り除く作用がある。

百度健康医典 苍耳子から引用した翻訳

ほかの生薬の作用を簡単にまとめます。

  • 辛夷(シンイ)は性質が辛、温。風寒を発散して、鼻を通す作用がある。
  • 茜草(センソウ)は瘀血と溶かし、苦味があるので涼血作用がある。
  • 金銀花(キンギンカ)は性質が寒、甘。清熱解毒、風熱を発散する作用がある。
  • 菊花(キクカ)は性質が苦、甘、少し寒。清熱解毒、風熱を発散し、目に良い。

1番目、2番目に含有量が高いのはソウジシ(苍耳子)、辛夷(シンイ)。共通する効能は鼻を通す、風寒を発散。

金銀花(キンギンカ)と菊花(キクカ)は風熱を発散する生薬で、上記の1位・2位と作用が真逆だけど、含有量の差がありすぎるので、主な効果は風寒を発散することになります。風寒がある時、鼻の症状は透明な水っぽい鼻水・鼻詰まりなど

金銀花の画像

金銀花の画像

要約すると、鼻淵丸びえんがんが効くのは透明な水っぽい鼻水・鼻詰まりが主症状の花粉症もしくは蓄膿症、副鼻腔炎など。もし、黄色い鼻水が出る場合は、効能と真逆なので悪化する可能性すらあります。

鼻淵丸が効くのは少人数。花粉症はほかの漢方薬で治すしかない

臨床で見ると、鼻を通し風寒を発散するやり方では、花粉症の根治が難しいです。なぜかというと、多くの患者は外部からの風寒にやられて鼻が詰まったのではなく、体内から湿気・寒気が生じすぎて鼻がつまり、鼻水が垂れっぱなしになるのです。

この時は鼻を通す以外に、体内を温めて湿気・寒気を取り除く生薬が必要です。温める生薬をたとえると乾姜、桂枝、細辛、附子(トリカブト)など。湿気を取り除く生薬を例えると白朮、蒼朮、ヨクイニンなど。また、透明な鼻水だけではなくて、痰が鼻奥に詰まった場合は痰を取り除く生薬も入れないといけません。

以下の漢方薬症例の処方箋が参考になると思います。

簡単にいうと、鼻淵丸が効く人はあくまでも少人数。
数日飲んでも効かない場合は、漢方医もしくは鍼灸医に診てもらったほうが良いです。

花粉症患者はたくさん診てきました。
鍼治療が無効な例は、まだ一つも見ていません。
以下は一つの症例、参考になると幸いです。

(おわり)

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