こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師、鄭智城先生1の漢方薬治療例、半边脸麻痹疑似中风的老妇人_郑智城_新浪博客(2012-03-04発表)を翻訳しました。
顔面麻痺で顔が歪んだのを漢方薬で治した例です。漢方薬以外に、鍼灸の効果も良いことを知ってください。
1週間も治らない咳・汗が出るのは、小柴胡湯+附子湯でほとんど治った
先週の日曜日の朝、常連さんから電話が入ってきました。
「鄭先生、私の母が今日ニューヨークに来て治療したいです。母の顔は急に半分歪んで、西洋医学の検査を受けたけど脳卒中ではないと言われました。お手数ですが、診察をおねがいします。」
私「分かりました。ところで、あなたの咳は大丈夫ですか?」
この患者さんは、私が治療した不妊症患者さんの中で一番高齢の女性です。妊娠した時は40歳。漢方薬を14ヶ月飲んで妊娠しました。途中で1回流産しけど最後は無事妊娠。
この前は風邪を引いて1週間も咳が治らなくて来ましたが、小柴胡湯を3日分処方したのです。彼女が言うのは、「だいぶ良いです。汗が出るのも止まりました。」
当時、彼女の汗が出るのがひどいので、私が出したのは小柴胡湯+附子湯。
顔面神経麻痺のお母さんに対する処方
朝11時、彼女のお母さんが来ました。肥満型の老婦人。座ってみたら本当に左の顔が歪んで、病状を知らない人はわざと変顔していると思うかも知れません。
私「顔が歪んで何日経っていますか?」
老婦人「10日くらいです。」
私「病気になる前は、冷えた感じとかないですか?」
彼女「そう言えばあったような気がします。その日、庭に行って木を拾う時(彼女の家は伝統的な壁暖炉で冷え対策をしています。非常にセンスがある。)に冷やした感じがしました。何日か経ってから顔の歪みに気付きました。よだれが止まらなくて、左手はマヒして腫れている感じです。」
コネチカット州は比較的に広くて、風も強くて寒いです。老婦人の顔面神経麻痺は、体内が弱っているとき、外部からの冷風に当たったのが原因。私は心の中で思いながら処方箋を作りました。
体内が弱いのは、黄耆桂枝五物湯で解決。
外部からの風に当たったのは、普通の風邪を治す漢方薬で解決。
処方したのは桂枝,白芍,生姜,当帰,陳皮,白朮,秦九,防風,白僵蚕,菖蒲,遠志。脈診で熱がある感じなので、黄芩と白薇を追加。
顔面神経麻痺からくる顔の歪みは半分以上治った
今日、彼女が来て言うのは、「母からの伝言だけど、ありがとうございます。母は漢方薬を飲んでから、顔の歪みが半分以上治りました。コネチカット州は大雪で母は今日来れないそうです。あと、弟の奥さんが妊娠3ヶ月で母はとても喜んでいます。」
彼女の弟夫婦は去年、こちらで不妊治療を何ヶ月かしました。その後はなぜか来てなかったけど、妊娠したからですね。
この夫婦二人、女性は金融機関の職員で男性は空港コントロラー。体質はみんな良くなかったです。
臨床経験が増えることで、どんどん治せるようになる
3年前、ニハイシャ先生の一人の患者さんが治療しに来たことがあります。同じ顔が歪んだ症状、顔面麻痺でした。
当時、ニハイシャ先生2の処方箋は葛根湯と牽正散。そして鍼治療。でも、効果はあまり良くなかった、若しくは長く続かなかったです。
私は基礎体力を強化する処方を出したけど、同じように効果が薄い若しくは長く続かなかったです。
3年後の今、治療効果が少し増えました。
上記の両方同時に治す処方箋は、皆さんの参考になると思います。
李哲の感想
鄭先生はニハイシャ先生の研修会に参加したことがありますね。だから、話し方がニハイシャ先生に似ている所があるでしょうか。
ただし、個人的見解だけど、鄭先生はあまりニハイシャ先生の理論を使わない感じ。まあ、病気を治せば何でも良いので、このへんは個人の好み。
顔面麻痺は1ヶ月以上経つと、治すのが大変なです。原則は2週間超えないうちに治療すること。
一旦顔の麻痺を気づいたとき、すぐ鍼灸医に診てもらってください。私は運がよく、患者さんがすぐ鍼に来てくれたので、数回で治しましたけど。以下の記事、どうぞご覧ください。
鍼灸と漢方は、臨床での勉強が大事。
それをつくづく思うようになったのです。
1年前の自分の治療例を振り返てみると、あ~~こうすれば良かったかも!と思うのが多々あります。幸いにも、腕が徐々に上がり、治療効果を高めることができました。
まだ鍼の極意を悟ってないけど、なるべく早めに卒業させたいのは変わらない目標です。
(おわり)
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
コメント