男性更年期障害の諸症状と治療法(漢方薬・鍼灸)を、中医学理論で詳しく説明します

この記事は約8分で読めます。

こんにちは、李哲です。
男性更年期(LOH症候群)障害の主な症状を、中医学ではどう判断・治療するかを書きました。

中医学は自覚症状が現れる根本的な原因(五臓六腑)を治す医学なので、もちろん更年期障害の様々な体調不良、たとえば精力低下、無気力感、倦怠感、イライラなどを治せます。西洋医学では不定愁訴だと言われても中医学では原因が分かり、関連の治療もできます。

本記事は各症状が現れたとき、どの内臓が弱くなっていて、漢方薬・鍼灸ではどのような治療効果があるかを説明しました。4千文字になる小論文ですが、参考になると幸いです。

男性ホルモン補充療法に対して、3つの疑問がある

西洋医学で男性更年期障害は、男性ホルモン(テストステロン)が減っているのが原因だと言います。したがって、男性ホルモンを補充する療法が現れました。この療法に対して、私は3つの疑問があります。

男性ホルモンが足りないのは、結果で原因ではありません。
原因を解決しないで、結果を補充するだけでは解決策にはならない。

私が尊敬するニハイシャ1先生は、以下の記事で話しました。
「原因を知らないと、必ずその病気は治せない」

男性ホルモンが足りれば、男性更年期障害が出ないのか?
ほかの原因もあるのではないか?
男性ホルモン不足が一連の原因の一つに過ぎない場合、補充しても解決にはならないからです。

これは男性だけではなくて、女性患者にも通用する話です。女性の更年期障害には女性ホルモン剤を打ちますが、女性ホルモン剤の副作用は乳がんと子宮体がん。漢方薬ではどのように解決するのか?以下の症例が一つの答えになっています。

③もともと、男性ホルモンは体が自分で作るもの。
いろんなホルモンバランスをとりながら、体は自分でコントロールしています。

このとき、外部からむりやり補充することで、体内のホルモンバランスが崩れます。もう一つの悪影響は、ホルモンを分泌する臓器が退化する

たとえ話。足を骨折して2ヶ月歩けなかった場合、床に降りて初めて歩くときは、歩き方すら忘れて転びます。外部から補充する期間が長ければ長いほど、退化するのがひどくなります。最悪の場合、インスリン依頼型の糖尿病みたいに死ぬまで薬を飲むかも知れません。

以上で私の疑問。

西洋薬に関して、生化学者が書いた論文が非常に参考になると思います。以下の記事、どうぞご覧ください。

男性ホルモン補充の副作用

男性ホルモンはどんな副作用があるのか、皆さんはよく知ってから治療を受けるべきです。

挙児希望ある方にはホルモン補充療法は、精子の数が減るという副作用があるためなるべく行いません。

引用元:男性更年期障害(LOH症候群:加齢性腺機能低下症) – 阿佐谷すずき診療所

テストステロン投与による前立腺がん前立腺肥大症の発症率は結びつかないと最近いわれておりますが、現在患っている方に対しては行うことはできません。

また、赤血球の異常増加による「多血症」。テストステロンがもつ造血作用が亢進し症状の増悪、発症を促してしまうケースがまれにあるようです。

ほか「睡眠時無呼吸症候群」の症状悪化や「女性化乳房」「ニキビ」「浮腫」など。

引用元:テストステロンを増やす治療に副作用はあるのか | メンズヘルスクリニック東京

男性更年期障害の症状を、中医学理論で五臓六腑との関連性を分析する

具体的な症状は、以下の2つの記事を参考にしました。

男性更年期は専門クリニックでちゃんと治ります:メンズヘルスメディカル

更年期障害 対処法「男性の更年期障害」 | NHK健康チャンネル

①興味や意欲の喪失、集中力の低下、無気力、頭が重い

脾臓が弱っているのが原因です。

中医学で言うのは、『脾蔵意』『脾主肌肉』『脾主湿』。

意は集中力・考える力・意欲。
肌肉は日本語でいう筋肉。

男性更年期障害の一つの症状:集中力の低下、倦怠感

男性更年期障害の一つの症状:集中力の低下、倦怠感

脾臓が弱まると、集中力もなくなるし、筋肉の力が落ちるので無気力になる。 また、脾臓が弱くなると湿気の処理ができないので、体内に湿気が増えると頭まで重くなります。

脾臓に悪影響があるのは、サラリーマンがしょっちゅう飲むコーヒー。清涼飲料水。人工的に甘いお菓子、ケーキ。もちろん、ほかの西洋薬も脾臓を破壊する。

だから、コーヒー・清涼飲料水・お菓子などは当院の禁止物に入ります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

②不眠、不安感、発汗

心臓もしくは肝臓と関係しています。
具体的にいうと、肝臓が弱いと寝付けられない。寝付けるのに時間がかかる。

心臓が弱いと夜中に目が覚めて、なかなか眠れないし、夢が多いです。

③精力低下、頭のモヤモヤ

生殖機能は腎臓がメインでコントロール。
脳は腎臓の陰液(良い栄養)が、背骨の脊椎を通って脳まで運ばれて、脳を養う。だから、この症状が出た時は、腎臓がそうとう弱いことを示します。

頭のモヤモヤは腎臓とも関連しているし、過渡なストレスが関係している可能性もあります。どちらにせよ、鍼は気の流れを調整することで治せます。以下は一つの症例、参考になると幸いです。

④ぼっき不全・勃起障害

主に肝機能低下が原因。

黄帝内経』でいうのは、「肝主筋」。陰茎(男性の生殖器)は「宗筋之会」と言います。筋がたくさん集まっているので、ぼっきできる。

男性の生殖器官に関して、まとめて話すと

①ぼっきするのは、おもに肝臓の働き。
②精子は肝臓ではなくて、腎臓が提供する。

腎臓だけ弱い場合は、生殖器官が立つけど精子が薄いので、妊娠できない。肝臓だけ弱い場合は、精子はたくさんあるけど、生殖器官が立たなくなります。片方だけ弱いのは珍しい。どちらかと言うと、肝腎とも弱っているケースが多いです。

⑤イライラ

肝臓に毒素が溜まっていることを示します。

毒素が溜まった原因はファーストフード、化学薬品、もしくは睡眠不足・怒りっぱなしなど。治すためには、普段の食生活と気持ちの整理をする必要があります。

以下の記事は女性の生理前症候群に関して書きましたが、男性でも同じように通じます。肝臓がダメになったから、イライラが増える。

男性更年期障害に対する、中医学の具体的な治療(漢方薬・鍼灸症例)

健康を守る鉄則は、食事・睡眠・運動です。
どんな治療を受けるのにも、必ずこの3点を守らないといけません。

  • 日常での禁止物を守らない。
  • 夜更かしもしたい。
  • 歩くのが嫌で、運動もしたくない。

このような方は、どんな素晴らしい中医学の先生でも治せません。

以上を守ったうえに、漢方薬・鍼灸を受けると効果が高くて治りも早いです。次は漢方薬と鍼灸症例の情報です。

漢方は、おおむね2種類の処方箋がある

漢方薬を簡単にまとめると、

  1. 柴胡(さいこ)類
  2. 地黄(じおう)類

があります。

イライラがメイン症状の方は、柴胡(さいこ)類がオススメ。例えば小柴胡湯・大柴胡湯・加味逍遙散・柴胡桂枝乾姜湯・柴胡桂枝湯など。

倦怠感、集中力がない、ぼっき不全の方は、地黄(じおう)類がオススメ。例えば八味地黄丸・六味地黄丸・海馬地黄丸・杞菊地黄丸…

以下は性機能障害を治した症例、参考になると幸いです。

肝臓と腎臓を治す処方箋の種類は、山ほどあります。具体的にはどのような処方が自分に合うかは、漢方薬局の先生と相談してください。

はり症例の紹介

はり治療の例は多数アップしています。
以下は2つの例。

①この男性は若さもあって、回復がとても早かったです。花粉症、坐骨神経痛、ぼっき障害などを同時に治すのは、鍼灸・漢方薬しかできません。

②膵臓がんの患者さん、はり治療後に朝たちが増えて精力も増えました。

がん患者さんでも変化があります。あなたは、がん患者より重症でしょうか?

はり治療は副作用がなくて、安全かつ効果が高い療法です。一人ひとりの症状に合わせ、ツボを選んでオーダメイド式の治療をするので、万人に同じ薬を出す西洋薬より何百倍も良い!

セルフケア:お灸も一つの改善方法

セルフ治療をしたい方は、お灸がオススメです。

お灸に関して、当院の女性患者からこんなエピソードを聞きました。
女性患者が言うのは、「ご主人の症状は、腰痛・体力減退など。腰にお灸をしたら腰痛が楽になり、シップと鎮痛剤よりも効果がある。お腹の関元にお灸したら、めちゃくちゃ元気になった」

関元の紹介は以下の記事をご覧ください。

まとめ

以上、中医学の理論で男性更年期障害の様々な症状を分析し、その治療方法も書きました。

西洋医学では様々な病名を出しますが、結局最後はどの患者さんにもホルモン剤を処方

中医学は違います。
漢方薬にせよ鍼灸にせよ、万人受けのツボ・漢方薬がありません。

中医学はオーダーメイド式のケア。
患者の現状を分析し、弱くなっている五臓六腑を強化しながら、副作用なしでつらい諸症状を治します。

中医学と西洋医学。
どちらの治療を選ぶかは、皆さんの判断にお任せします。

(おわり)

  1. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。全世界で「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育てた先生でもあります。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

     

コメント

  1. li-hari より:

    id:MT6538
    M(エム)さん
    ブコメありがとうございます。
    そうですね。若いときは、無理しても体調不良にはならないけど、40過ぎてからは違います。若いときに消耗すればするほど、あとで健康面で大変苦労します。
    肝臓を強くしたいなら、柔軟体操(ストレッチ、ヨガなど)がオススメです。漢方薬は漢方医に相談してみてください。きっと良いのがあります。