こんにちは、李哲です。
男性不妊に関するリクエストがあったので、記事として発表します。
カルテの整理が追いつかず治療例ではないですが、中医学理論で男性不妊の原因と改善策を書きました。参考になると幸いです。
男性不妊の原因は、おおむね2つある
不妊治療で、治療が必要なのは女性だけではありません。男性にも問題が大きいです。ただし、病院の検査では分からないのが多い。中医学の検査だったら、ハッキリわかります。
男性不妊の原因は、おおむね2つあります。(ほかにも男性不妊を引き起こす原因があるけど、今日は一番多い2つのケースを話します。)
西洋医学の理論でいうと、
- 精子が少ない。
- 精子の活動力(運動率)が足りない。
腎陰虚と腎陽虚とは
中医学の話で言うと、腎臓の陰もしくは陽が足りないです。
- 腎臓の陰虚というのは、精子の数が足りないこと。
- 腎臓の陽虚というのは、精子の活動力(運動率)が足りないことです。
陰陽五行論を話すと、中医学は玄学で科学的根拠がないと言われがちですが、現代の言葉で話すとわかりやすいでしょうか。
中医学は物理的な学問で、そんなに抽象的なものではありません。以下は腎臓の[陰]と[陽]を強化する方法を伝えます。
腎臓の陰を強化する方法:性行為を節する
中医学で言う「陰」は、食べ物から来ています。
食べ物を消化吸収して、さらに体内で精製されて、最後は一番良い栄養の塊:「精」になる。「精」はとても純粋な栄養で、普段性行為がないときは、督脈にそって脳まであがり、私たちの脳組織を養います。そのおかげて、私たちは思考ができて記憶力があります。
「精」が性行為の刺激で外に出ると、白い精子になります。
上記のとおり、「精」は大事なもので、普段は腎臓と脳を養っているので節約する必要があります。
性行為は完全に禁ずるのは、人間らしい生活にはなれません。私が言いたいのは、性行為を濫用しないこと。若いときに性行為が多すぎて、年をとったあとに様々な腎虚証になって、痛みと苦しみに陥る患者さんはたくさんいます。
中医学はひどい腎虚証の治療中、性行為を禁ずるときがあります。詳しい説明は、以下の記事をご覧ください。
腎臓の陰に良い食べ物
腎臓の陰を養う良い食べ物はないのか?
以下で簡単に紹介します。
色が黒くて、しょっぱいもの
例えば
- 海藻類。
- 胡麻(ゴマ)。
- 天然塩(海塩若しくは岩塩)。
塩は腎臓の毒素を排出するときに役に立ちます。
今は間違った西洋医学の理論で、減塩減塩!と言うけど、それはテーブル塩(塩化ナトリウム)を取っているからです。自然な岩塩、海塩を食べれば、高血圧症にもならないし、腎臓がダメになりません。塩に関する正しい知識は、中医学先生が書いた以下の記事をご覧ください。
臭いもの
たとえば納豆。
中国には『臭豆腐』があります。
腎臓の形をする食べ物
たとえば豆類。
動物の腎臓。
(レバーが肝臓に良いのと同じです。)
腎臓の陰を養う漢方薬
比較的に有名なのは、
ほかにもたくさんあります。
詳しいのは漢方医にご相談ください。
腎臓の陰が足りないと、特別な症状が現れるときがあります。性欲が異常に強い。これは良いことだと言えません。以下の記事で詳しい説明しています。どうぞご参考に。
腎臓の陽を強化する方法
様々な運動は腎臓を鍛える
運動はなぜ腎臓に良いのか?
先に古文を引用します。
肾者,作强之官,伎巧出焉
『黄帝内経 – Wikipedia・素问・霊蘭秘典論』
腎主骨
『黄帝内経 – Wikipedia・素问・宣明五気』
以下は私の翻訳です。
力強さ、匠の技、骨の強度などは腎臓が司る。
つまり、骨を動かす運動、筋トレなどは腎臓を鍛えることができます。ヨガ、登山、格闘技、ジョギング…過度にしなければ、どんな運動でも良いです。
水泳は除外。
鄭智城先生は水泳をあまり薦めてないみたいですが、私も水泳はあまりオススメしません。現実では冷えと湿気にやられている患者さんが多いので、更に冷たい水の中で長時間いるのは良くないです。
老若男女問わず、誰にでもおすすめする運動があります。目を閉じて片足立ちする運動。具体的内容は以下の記事に書きました。どうぞご覧ください。
腎臓の陽に良い漢方薬「八味地黄丸」
漢方薬には八味地黄丸(はちみじおうがん)(別名:八味丸)が有名。
生薬の組み合わせは、六味地黄丸(ろくみじおうがん)に肉桂(桂皮、けいひ)とトリカブト(附子)を追加したものです。つまり、陰を補給しながら陽の補給もできる、一石二鳥の漢方薬です。
臨床では六味地黄丸+八味地黄丸の必要がなく、八味地黄丸だけで済みます。
八味地黄丸は年寄りの尿もれ、頻尿などを治す有名な処方でもあります。以下の記事で詳しく説明しているので、どうぞご覧ください。
腎臓の陽気を強化するとき、八味地黄丸だけではありません。八味地黄丸が自分の体に合うのかどうか、詳しいのは漢方医にご相談ください。
腎臓にダメージを与える生活習慣・食べ物・西洋薬
補うだけではなくて、腎臓の陰を損なう生活習慣にも気をつけましょう。
【重要】腎臓を養うため、避けるべきのこと
- 夜更かしが多い。(たまには良いけど)
- 大量のお酒。(少量は良い)
- 長時間のパソコン、スマホ、テレビ画面。
(肝臓の血をたくさん消耗するので、腎臓にも悪影響があります。) - 運動しない、歩かない。
- 当院で口すっぱく言う、日常での禁止物を守らない。特に西洋薬(鎮痛剤・抗生物質・コレステロールを下げる薬・血液をサラサラにする薬・血圧を下げる薬など)は一番腎臓をダメにします。
- 自慰(マスターベーション)が多すぎ。
自慰(マスターベーション)の有害性は、以下の翻訳文でも説明しています。どうぞご参考にしてください。
まとめ
- 食べ物に気をつけて夜更かししない(陰を養う)
- 適当な運動を続ける(陽を養う)
- 腎臓を損なう行動に走らない。たとえば、西洋薬を飲まない。
これで不妊治療に成果が出なかったら、漢方薬もしくは鍼灸治療を試してください。お灸は自宅でもできるのでオススメです。関元、若しくは中極穴でたくさんお灸すれば、徐々に下腹部が暖かくなりパワーが出てきます。
余裕がある方は、お灸する以外に鍼も同時に受けることを薦めます。
以前、ある男性の報告がありました。数回の鍼治療後、病院の検査で精子の運動率がびっくりするくらい上がったそうです。ただ関元、気海、中極穴などを刺しただけですが。
鍼治療で男性機能はバイアグラ並みに強いです。以下の症例でも説明しているので、どうぞご覧ください。
男性不妊は難しい病気ではないです。
少し時間をかけて施術すれば、効果があるかないかが分かる。効果が出れば、あとはもう少し辛抱強く続けることです。
(おわり)
コメント