こんばんは、李哲です。
前回、イチゴを陰陽五行論から分析しました。
患者さんから美味しいブドウをいただいので、今回はブドウにどんな効能があるのか?陰陽五行論で分析します。
ほかにも、いろんな果物をたくさん頂いてますが、順序に記事を書きますので、もうしばらくお待ち下さい。
実の味(味覚)から分析すると脾臓、肝臓、心臓に良い
実は甘い、酸っぱい。甘味がもっとも主張されています。甘味は脾胃(土)に属する。酸っぱいのは肝臓(木)に属する。
皮は苦味が強い。苦味は心臓に入るので、心臓に良いと判断できます。
味と五臓との関連性は以下の表を参考にしてください。
五臓 | 味 |
肝臓 | 酸味 |
心臓 | 苦味 |
脾臓 | 甘味 |
肺 | 辛味 |
腎臓 | 鹹味 |
実の栄養素を分析すると、脾胃に大に有利。肝臓への恩恵は二の次の感じですね。著名な薬物志でも、脾胃に良いと書かれていました。詳細は後ほど話します。
実の色から分析すると、血液に大に良い
葡萄の皮を剥くと、濃い色の実が見えます。
中医学では「気血」「陰陽」をよく言いますが、「気」と「陽」は薄い色を指します。つまり、濃い色は「陰」と「血」に属する。単純な分類だと、葡萄は 「陰」と「血」 に良いです。
葡萄の味覚篇で話したように、葡萄は肝臓と脾臓に良い。また、肝臓は中医学で「肝蔵血」、脾臓は「脾統血」だといいます。両方とも血液と密接な関連性がある臓器。
以上の関連性から判断すると葡萄は血液に大に良いです。簡単にいうと、葡萄は血液を補う作用がある。面白いのは、西洋医学では点滴するときもブドウ糖を配合したものです。
葡萄は血液を補うと書いてますが、漢方薬には果物よりも強力な血を補うのがあります。たとえば当帰、アキョウ。食用と薬用のパワーは違うので、使い道を間違えてはいけません。
皮の色から分析すると、肝臓・心臓に良い
私が頂いたブドウの皮は、赤みが少し混じった濃い青色(黒?)でした。青色は肝臓に属し、赤みは心臓に属します。外観の色辛判断すると、ブドウの皮は肝臓・心臓に良い。
皆さん食べるのは皮より実の方が多いです。つまり、脾胃を補うのが一番多い。二番目に多いのは、肝臓と心臓。皮を剥いて捨てる方もいますが、心臓に良い栄養素を捨てる事です。もったいないですね…食べるなら、皮も一緒に食べましょう。
オススメは皮ごと食べることですが、今は農薬が心配でもありますね。私はあまり気にしないで、洗ったあと普通に食べてますが(笑)
清朝の有名な中医学先生、葡萄に対する評価
最後は著名な中医学先生の文献を翻訳して終わりにします。全部翻訳すると長いので、黄色いマークしたところだけさせて下さい。
味甘平。主筋骨湿痹,益气倍力,强筋燥湿。强志,肝藏魂。令人肥健耐饥,忍风寒。久服轻身,不老延年。皆培补肝脾之效。可作酒。
此以形为治,葡萄屈曲蔓延,冬卷春舒,与筋相似,故能补益筋骨。其实甘美,得土之正味,故又能滋养肌肉。肝主筋,脾主肉,乃肝脾交补之药也。
上記の黄色い所を翻訳します。
葡萄の木は、ぐにゃぐにゃ曲がって伸びている。冬は縮んで春は伸びるのが、筋とにている。だから筋と骨を強化することができる。
徐霊胎の主張だと、肝臓と脾臓に良くて、関節痛を緩和し不老長寿になる果物です。
また、葡萄の木の形から肝臓に良いと記述したのも面白いです。
中医学は味、色だけではなく、植物の形も陰陽五行論で判断します。
歴代の薬草本に載せている果物は、それほど多くないです。その中でも有名なのは葡萄。
果物を買うとき、二者択一の状況だったら、葡萄をオススメします。余裕があったら、りんご・みかんなど食べ比べるのも良いですね。
葡萄を絶賛しているように見えますが、葡萄さえ食べれば健康・長寿になる話ではありません。健康長寿の鉄則は、良質な睡眠・食事・運動・穏やかな心、この4つです。
ほかのはみんな付加価値で、もっとも大事なものではありません。
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