体がだるくて死にそうなのに、病院の検査では正常。漢方薬飲んでから、全身に力が溢れ出した男性。

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こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生*1の症例、美国人对医生的意见也很大_郑智城を翻訳しました。

だるくて死にそうな患者、病院で検査してもすべて正常。つまり、治すようがない。幸いにも漢方薬に出会って治ったこと。患者は漢方薬を飲んでから全身に力が溢れ出して、家の解体作業も余裕だと言っています。どんな漢方薬でここまで変わったのか、以下をご覧ください。

私のアメリカ人患者、多分プエルトリコ人です。仕事はジムでボクシングを教える50代の先生、身体は痩せて背が高い。自分でもシムを開いています。子供は3人で全部私立学校に通っている。その出費の多さ、普段の過労も想像できますね。

ある日、彼は過労で病気になりました。すぐにでも死にそうな感じ。あちこち西洋医学の病院に行って検査したけど、誰も原因が分かりません。

だるくて死にそうなのは、2~3回治療して著しく変化

西洋医学が原因不明だと言うのは、びっくりすることもないですね。彼の症状は、中医学で「癆証ろうしょう」もしくは『虚労きょろう』と呼びます。

人はだるくて死にそうなのに、病院に行くとすべて正常値。

彼は絶望しました。
ある日、紹介でこちらに来て、2~3回治療しただけで著しい変化がありました。

癆証ろうしょう」はもう一つ特別な症状があります。それは、手足の血管が浮き出ること。以下の治療例で説明しているので、どうぞご参考に。

西洋医学の先生に中医学、中医学と言って怒られた

アメリカの西洋医学の先生は、治療には役に立ってないけど、いつも「戻って検査しなさい」と勧めます。1回彼が戻って検査したら、病院の先生が勧めたのは「お腹を開けて見ましょう。中に何かが異常あるかも知れません。費用はだいたい5千ドル。そんなに高くもないです」

しかし、彼は拒否しました。
毎回漢方薬を飲むと言い、中医学の話を何回もして、西洋医学の先生も怒ったそうです。

病院の先生「中医学、中医学だと言うけど、あなたは中国人ですか?」
彼「前世が中国人だったかも知れません」

西洋医学の先生は、もう言葉を失ったそうです。私は彼の話を聞いて、めちゃくちゃ笑いました。

漢方薬飲むのが好きなアメリカ人は、ほかにもいます。以下のニハイシャ先生の治療例でも出ているので、良かったらご覧ください。

10日の漢方薬で半年も効果が続く

彼の身体、実は悪くないです。
ただし、毎回来た時は過労で目力がない、疲労困憊の状態。

彼は「半年の漢方薬で体調不良を治してみる!」と言うけど、10日くらいの漢方薬を飲んだだけで、半年も姿を消しています。そして、半年後に来た時はまた疲労困憊の状態。

この治療例が説明するのは、10日の漢方薬で彼の状態が一気に良くなり、半年も治療効果が続いたこと。

漢方薬を飲んでから、全身に力が溢れ出した

前回、彼に処方したのは「実脾飲じっぴいん(別名は分消湯ぶんしょうとう)」+「回陽昇陥湯」。彼の脈は沈、息が足りない、寒がり、舌苔白、便秘ぎみ、全身が腫れている感じでした。

実脾飲じっぴいん(別名は分消湯ぶんしょうとう)」は以下の症例、更年期障害・ホットフラッシュなどを治す時でも使っています。どうぞご参考にしてください。

今度また来た時、私は彼に聞きました。

私「前回の漢方薬を飲んでどんな感じですか?」
彼「とても良かったです。全身に力が溢れて、一軒家をまるまる解体しても余裕です

陽の生薬ばかり集まった「回陽昇陥湯」

これは明らかに「回陽昇陥湯」の作用です。

黄耆8銭、乾姜6銭、桂枝3銭、当帰4銭、炙甘草1銭半。

黄耆(おうぎ)の画像

黄耆(おうぎ)の画像

純粋に陽の生薬で、陰の生薬がない。
めったに使わないのは、組み合わせがすごい強いから。
もし合わない人が飲んだら、不調が出ます。しかし、彼はこの漢方薬で元気になる。どれだけ弱っているのかが分かります。しかも、心臓と肺がとても弱くなっている。

李哲の解釈と感想

現代人はコーヒー、甘いもの、薬で疲労困憊になっている

中医学で言う「癆証ろうしょう」の特徴は、

  • いつもダルい
  • 疲労困憊
  • 食べても太らなくて、痩せ型の人が多い。

昔は肺結核の患者さんによく見かける症状でした。しかし、癆証の症状は現代人にも多く見られます。その原因は、コーヒー・人工的な甘い物・西洋薬を食べる人が多いから。

コーヒー・人工的な甘い物は脾臓をダメにするので、手足の力がなくなり倦怠感に襲われ、何時も疲れた!となります。西洋薬は胃・心臓・腎臓・肝臓…傷つけない臓器がないくらい。

黄耆は気を補う大事な生薬

原因を探りに、病院の検査を受けるのはやっても無駄です。病院の機械では、「気が足りない」とか見えません。

黄耆は気を補う作用が強い生薬で、毎日食べても大丈夫な物です。ただし、現在は本物を買えるかどうかが心配ですね。原産地の黄耆は細長いやつで、あまりきれいに見えません。しかし、市販の黄耆はすごい加工されてきれいに見えるけど、本来のパワーはだいぶ落ちています。

黄耆を主力とする「黄耆建中湯」は、ステロイド剤の副作用にやられてひどいうつ病になった患者さんに、てきめんな効果がありました。以下の治療例、どうぞご覧下さい。

疲労困憊、疲れが取れない症状は中医学で簡単に治せる

疲れが取れない、いつも疲れる人は、食生活を変えるだけでも改善します。食べ物を変えたけど、まだ疲れが取れない・疲労困憊の方は、漢方薬もしくは鍼治療が必要です。

鍼治療、足つぼ整体で疲れを取れた症例はたくさんあります。

▼以下は何年前の足ツボ整体の治療例。
異常な眠気とだるさで、いつでもどこでも寝てしまう症状を治した例です。

▼以下は鍼治療例。
排卵痛が治り、体力が増えて疲れにくくなった女性の例です。

鍼の響きに耐えられなくて止めた患者

癆証ろうしょう」の患者さんは、私も一人診たことがあります。ただし、鍼が少しでも響くのが我慢できなくて止めました。

響く鍼は効果があるけど嫌だ。
響かないけど効果もない鍼なら受けますかね?

響きがなくて、効果がある鍼なら私も勉強したいです。

*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。

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