こんにちは、李哲です。
睡眠障害(途中覚醒)・心臓が痛い・目の奥が痛い・冷え性・花粉症など、様々な症状を抱えている男性患者の施術を記録しました(全部の記録は6話、今日は第一話です)
トータルケアの中医学で、患者の諸症状がどのくらい良くなったのか、読んで見れば分かると思います。
睡眠障害、心臓が痛い、目の奥が痛いなど様々な不調を抱えている男性患者
患者さんは、メガネを掛けた背が高い男性、34歳。お母さんの紹介で来ました。
10個の問診表で気になる項目は、
①睡眠:
夜中の3時くらいに起きる。朝までぐっすり寝れない。
②汗:
あまり汗をかかない。
③体力:
一日中疲れている。
④手足の温度:
冷たい。
一番気になる症状は、
- 冷え症
- 近視(裸眼視力は0.01~0.02)、中学生の時から目が悪かった
- 目の奥が痛い
- 心臓がチクチク痛む(ストレスが多い時、ギューっと心臓が痛くなる)

心臓がギュッと痛くなるのは鍼で治る
彼の心臓には大きな問題があります。だから、心臓がギュッと痛くなる時がある。また、冷え性・睡眠障害も全部心臓が原因。西洋医学では虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)だと診断するかも知れませんが、バイパス手術・殺鼠剤(血液をサラサラにする薬)を飲ませたりの治療方法くらいです。
鍼灸でどのように改善できるかは、今後の記録で説明します。
「視力低下は治せないかも」と彼に伝えた
以下は鍼治療してからの変化です。
2017年5月13日。
1回目の鍼。
脈診した限り、そこまで悪くないのに、なんでこんな症状がひどいのか分かりません。とりあえず今日は症状に従ってツボを刺しました。
公孫、内関、中脘、中極、関元、巨闕、復溜、太衝、中都、合谷、太陽、頭臨泣、晴明、陽白から魚腰までつなげる。
視力の治療に関しては、彼に話しました。
「年数がかなり経っているし、現在0.1以下なので、視力は回復できないかも知れません」
鍼灸が治せなくても、漢方薬で治せる可能性があるので、ここまで読んだ皆さん、落ち込まないでください。有能な漢方医を探せば、治る可能性があります。以下は一つの漢方薬症例。
目の疲れがかなり楽になって、鍼治療後は便通がすごい良い
2017年5月20日。
彼の報告:
目の疲れがかなり楽になり、あともう少しの感じ。
仕事のプレッシャーが強い時、心臓がギューっと痛くなる。
夢は見なくなった。
大小便は良い。
前回の鍼治療後、便通がすごく良くなった。
便秘ぎみには鍼治療の即効性がよく見られます。以下はもう一人の鍼治療例、参考になると幸いです。
乗り物酔い、目が痛い、夢を見る症状がある
2017年5月27日。
今日の主訴は3つ。
一つ目は、最近乗り物酔いがひどくなった。乗り物酔いは小さい時からあって、20代に一回落ち着いたけど、最近またひどくなっている感じ。自分で車運転する時は乗り物酔いしないけど、他人の車若しくは電車に乗るとするそうです。
二つ目は、目が痛い。眉毛の骨が痛い。
これは難しい症状ではありません。人によっては、眉毛の骨が痛いのは1回で治ります。以下は一つの参考記事。
三つ目は、夢をたくさん見る。4時間で1回目が覚め、疲れが取れない感じ。
今日の鍼治療が終わって鍼を抜く時に足を触って見たけど、まだ冷たい方でした。一般的に、鍼を刺してすぐ手足が暖かくなります。ならない場合は、冷え性が酷いことを示す。1回で暖かくならなくても、続けて鍼治療すれば徐々に暖かくなります。
今まで極度の冷え性の患者さんを何人か見ました。以下は一人の女性の症例、参考になると幸いです。
鍼してから3日間は便通がとても良い。目の奥の痛みも軽減した
2017年6月10日。
彼の報告:
2週間空いたので、パソコン仕事でやはり目が疲れる。目の奥が痛い(前ほどではないけど)。鍼したあとの3日間は、とても便通が良い。それと比べると、便が少ないかも知れない。
今日は中都など刺して強めに回したので、針を置いてる間は身体と手足が暖かくなったそうです。
鍼治療後、手足が暖かくなるケースは非常に多いです。手足が暖かくなるかどうかは、治療の有効性を判断する基準の一つにもなります。詳しくは以下のニハイシャ先生1の記事をご覧ください。
目の奥の痛み、夢を見るのはだいぶよくなった
2017年6月17日。
彼の報告:
今週はストレスが多くて、お腹が痛くなって便がゆるい。心臓がギューっと縮まるのは、1~2回あった。睡眠は4~5時間で目が覚める。寝た気がしない、疲れた感じ。
夢はあまり見なくなり、目の奥の痛いのはだいぶ良くなった。
彼のストレスを聞いて、私は彼に話しました。
「ストレス(心労)は心臓にかなり負担をかけます。鍼では心臓の痛みを治せるけど、ストレスをなくす事はできないです。」
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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