こんにちは、李哲です。
ニハイシャ先生1の弟子の症例、新流感(H1N1)を翻訳しました。インフルエンザの様々な症状を治した症例が3つあります。
インフルエンザの高熱、体の痛みなどの諸症状に対して、大青竜湯は主力であることを知ってもらえると嬉しいです。
インフルエンザにはタミフルでしょう?という人がいると思いますが、以下の記事をご覧ください。あなたはずっと騙されています。インフルエンザを治せるのは、漢方薬もしくは鍼です。
インフルエンザの発熱・後頭部の痛みが一晩で治った子供
患者さんは王さん、女の子、13歳。
初診は1998年11月2日、月曜日。
診察に来た原因:
- 後頭部の頭痛
- 疲労感
- 発熱
王さんを見たら、表情がとても疲れていました。お母さんが言うのは、「病院でインフルエンザだと診断されて、西洋薬を5日飲みました。この2日は飲んでないから、今日体が辛いそうです。明日から学校が始まるので、今日治療しに来ました」
望診:舌は赤くて、舌苔は脱落した所がある。唇は少し赤い。
問診内容:
- 後頭部が痛い
- 咳があり、痰は黄色
- 大便は2~3日に1回、大便は出にくい。
- 最近の生理は10月15日
- 口が渇く
- 汗はかかない
触診:おでこは少し熱い。背中も熱い。体温を測ったら37.3度。
脈診:右寸関浮細弦。押した時、脈は広くて大きいけど、無力。
診断:外は風寒。中は熱がこもっている。
以下の処方箋は、仙豊メーカーの粉薬を使用しました。
処方1:
3回×2日。
処方2:
4回×3日。
私はお母さんに教えました。
「王さんは体温が少し高いので、3時間に1回大青竜湯を飲ませます。汗が出て熱が下がったら、処方2に変えます。漢方薬を飲んだあとは、風に当たらないように気をつけて下さい」
夜10時頃、お母さんから急に電話がありました。
お母さん「漢方薬を飲んだあと熱が38度になったけど、どうすればいいですか?」
私「まだ1包しか飲んでないから、慌てないで下さい。2包飲んでからまた様子を見ましょう」
火曜日の夜、お母さんに電話してみたら月曜日の夜中1時に、子どもを起こして漢方薬を飲ませた時は体温が少し下がって、朝5時に漢方薬を飲ませた時は熱が完全に下がった。朝は普通に学校に行って夜戻ってきたら、活気が溢れて「これから勉強する!」と言ったそうです。
今まで西洋薬を飲んでから頭がぼっとして、全然勉強ができてない。今は治ったから、足りなかった分を取り戻す勢い。
以下は処方箋の根拠になる古文。
太陽中風,脈浮緊,發熱惡寒,身疼痛,不汗出而煩躁者,大青竜湯主之。
引用先:『傷寒論』第38条
麻子仁丸は特別な便秘を治せます。以下の記事で詳しく説明しているので、どうぞご覧ください。
頭が重くて、身体が締め付けられる症状は、漢方薬3包で治った
厳さん、王さんのお母さんです。42歳。
初診は1998年11月2日、月曜日。主訴は、この2日頭が重くて、身体が締め付けられた感じ。
望診:舌苔は白。
問診内容:
- 胸が痛い
- 喉が痒い
- 胃が張ってつらい
- 汗が出る
- 身体が締め付けられた感じ
- 頭が重い
触診:体温は測ったら37度。
脈診:右の寸関浮細弦。押したら脈は広くて大きい。
診断:
湿気が体表に残っている。
処方箋:
3回×3日。
火曜日の夜、電話した時、彼女が言うのは漢方薬を3包飲んでから良くなったので、残っている漢方薬を貯蔵している。万が一家族の誰かが高熱になった時使えるから。
何故かと言うと、私がこれはインフルエンザを治す処方箋だと教えたので。アイ!本当に余計な話をしました。
私は彼女に教えました。
「もし家族に高熱になったら、できるだけ連れてきて下さい。漢方薬を間違って飲まないで」
以下は処方箋の根拠になる古文です。
傷寒,脈浮緩,身不疼,但重,乍有輕時,無少陰證者,大青竜湯主之。
引用先:『傷寒論』第39条
発熱、全身が重だるくて痛い、食欲不振などの諸症状が2日で治った女性
頼さん、女性、31歳。
初診は1998年11月16日。
診察に来た原因:発熱
望診:舌苔は白。舌は赤い。
問診内容:
- 全身が重だるくて痛い
- 吐き気がする
- 咳があるけど痰は少ない
- 白い鼻水が出る
- ゲップが出る
- 夜中には喉が痒い
- 軟便
- 腹痛
- 食欲不振
触診:体温は測ったら37.8度。
脈診:右寸関浮細弦。押したら脈は太くて広いけど無力。
診断:
外は風寒にやられ、中は熱がこもっている。
処方箋1:
- 大青竜湯15g
- 天花粉1g
- 魚腥草1g
3回×2日。
処方箋2:
4回×3日。
頼さん「これはインフルエンザですかね?」
私「似ています」
彼女「体がつらいから、仕事を休みたいです」
私「病院の検査を受けてインフルエンザだと診断をもらえば、会社を休めます」
私「インフルエンザだと診断されたら、病院の薬を飲みますか?」
彼女「要らない」
私「なぜ要らないですか?」
彼女「3人の同僚が同じ風邪を引いて、2人は漢方薬飲んで今は普通に仕事している。もう一人は病院の治療を受けてから、いまだに入院中。だから病院の治療を受けない」
この人は本当に賢い人です。
臨床で起きたことは、すべて教訓にすべき。特に他人からもらった教訓。
私は漢方薬の飲み方を彼女に教えました。
「3時間毎に1回、大青竜湯を飲みます。3包飲んだあとは熱が下がるはず。汗が出て熱が下がったら、処方箋2に変えます。漢方薬を飲んだあとは、風に当たらないように気をつけること」
火曜日の朝9時くらいに頼さんの旦那さんから電話がありました。
旦那さん「まだ熱があるけど、どうしたら良いですか?」
私「もう1包飲んで熱が下がらなかったら、診療所に来て下さい」
2回目の診察は、1998年11月17日。
発熱がまだ続いています。
望診:舌苔は白。舌は赤い。
問診内容:
- 腰痛
- 吐き気がする
- 咳があるけど痰は少ない
- 頭痛
- ゲップが出る
- 食欲不振
- 全身の重だるいのと痛みは消えた
触診:体温は測ったら38度。
脈診:右脈は細軟無力。左関尺浮細弦。
アイ!失敗した。前回もっと細かく診察すれば良かったのに。
以下は処方箋の根拠になる古文。
太陽中風,脈浮緊,發熱惡寒,身疼痛,不汗出而煩躁者,大青龍湯主之。若脈微弱,汗出惡風者,不可服之,服之則厥逆,筋惕肉瞬,此為逆也。大青竜湯主之。
引用先:『傷寒論』第38条
診断:太陽症と少陰症、両方あり。
処方箋:
4回×2日。
頼さんは11月19日の木曜日に、3回目の診察に来ました。何回飲んで熱が下がったかを聞いたら、頼さんが言うのは「2包を飲んで熱が完全に下がりました!」
小柴胡湯は場合によって、いろんな症状を一晩で治せる力を持っています。以下の漢方薬治療例、参考になると幸いです。
頼さんは一つ質問がありました。
「病院の治療を受けたらどうなるでしょう?」
私「貴方みたいに体が弱い人は、確実に入院するでしょう」
後々で頼さんの同僚が診察に来た時に話を聞きましたが、頼さんはもう仕事しているそうです。
以下は処方箋の根拠になる古文。参考になると幸いです。
少陰病,始得之,反発熱,脈沈者,麻黃附子細辛湯主之。
引用先:『傷寒論』第135条
(最後の方は省略)
麻黃附子細辛湯の症例は他にもあります。以下の記事、どうぞご参考に。
李哲の感想
インフルエンザであろうと普通の風邪であろうと、自覚症状があれば鍼灸治療は有効です。たくさんの症例があるけど、2つだけ貼りました。参考になると幸いです。
「風邪の原因はウィルス。ウィルスを殺せる薬はない」と西洋医学も認めています。だから、風邪・インフルエンザになった時は、西洋医学の治療はあきらめてください。
何もしないで安静するか。
もしくは、鍼灸・漢方薬の治療を受けたほうが治りが早くなります。
「風邪で鍼治療を受けたけど、まったく効かなかった!」と反論する方に、一つの助言。以下の記事でも説明しましたが、これはあなたの鍼灸医の問題です。鍼灸のせいではありません。効果がなかったら、違う鍼灸医を探して下さい。
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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