3歳児の川崎病を鍼4回で完治した例で、いちご舌・皮膚が痒い原因を中医学理論で説明します

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こんにちは、李哲です。

川崎病は西洋医学で「難病指定」にまでされています。つまり、「原因不明」「不治の病」の意味。

これを聞いたら悲観的になるけど、なぜ中医学のアドバイスを聞かないでしょうか?鍼灸にとって川崎病を治すのはさほど難しくないです。

今日は3歳児の川崎病を治した例で、川崎病のいろんな症状を中医学の理論で解釈しました。参考になると幸いです。

川崎病だと診断された3歳の女の子

患者さんは女の子、3歳半。
病院で「川崎病」だと診断されました。

女の子の主な症状は、

  • 食欲ない
  • 便通悪い
  • 眼球結膜が充血して真っ赤
  • 唇中に水疱ができて、痛くてご飯が食べられない
  • 全身の皮膚が痒い、特に手指が痒くて掻いて脱皮する
  • 左右の口角は裂けて、痛そうだった
  • ベロはイチゴ色(川崎病の特徴とも言える「いちご舌」です) 

お母さんは病院で脅かされました。
「治療法は血液製剤しかないです。すぐ治さないと心筋梗塞で死ぬかも知れません!」

しかし、お母さんは先に鍼を試す事を決意して、子供を連れて来ました。「鍼がダメだったら、また考える!」

お母さんは長い間こちらで鍼治療を受けた人で、治療効果を実感したからだと思います。

4回で川崎病の諸症状(いちご舌、皮膚のかゆみ、食欲不振など)が治って、食欲回復・便通は良し

以下は子供の治療経過です。
自覚症状の変化を書いて、中医学の解釈もつけました。

1回目の鍼治療:特に感想なし

2017年4月15日。
刺したのは中脘、天枢、心兪、肺兪。

子供は置鍼する必要がないので、刺して回してすぐ抜く。だから治療は5分くらいで終わりました。鍼が終わったあと、子供はグッタリして眠そうな顔でした。

2回目:前回の鍼で眼球結膜の充血が治り、皮膚のかゆみが軽減

2017年4月18日。
2回目の鍼治療。

お母さんが言うのは、「前回の針の後、大小便がドバっと出て、昨日だけ便通がないです。」

ほかの症状の変化は、

  • 眼球結膜の充血は治った
  • 全身の皮膚のかゆみは軽減
  • 口角が裂けているのは、右だけ残っている(左はもう治っている)
  • 口中の水疱は、まだあり

刺したツボは、同上。

帰りにお母さんとおばあちゃんに、「天枢と中脘にお灸をして下さい」と伝えて、マジックペンで印をつけて上げました。

3回目:皮膚のかゆみはもう治り、食欲・便通は大変良い

2017年4月20日。
3回目の鍼治療。

お母さんからの報告:
天枢と中脘にお灸を3個ずつやったら、食欲と便通は良くなった。たくさん食べれて、たくさん便通がある。

ほかの症状の変化は、

  • 皮膚のかゆみはもうない
  • 口角は右だけ少し裂けている

親が言うのは、子供は基本的に元気であるそうです。

今日刺したツボは、心兪、肺兪、地倉(左)、合谷穴。地倉穴は子供の口角が裂けているから、速く回復させるために刺しました。左の地倉と合谷穴は、子供が泣きながら暴れたので出血。血は脱臭綿花ですぐ収まりました。

4回目:皮膚が剥けるのが軽減、川崎病の特徴「いちご舌」も正常になってきた

2017年4月25日。
4回目の鍼治療。

私が見たら、右の口角の裂けたのは治り。手指の皮が剥けるのは減ったけど、足指の皮が剥けているのがありました。大便はマチマチ。病気になる前はいつも午前中だったけど、今は午後になるときもあるそうです。

ベロを見せてもらったら、舌苔は以前のイチゴ色ではない。正常に近くなりました。口内、唇の中はまだ水疱が少しあるけど、ご飯を食べるのには支障がない。普通に食べています。鼻腔の外側に、鼻水が乾いて白くなったのはなくなりました。

今日刺したツボは心兪、肺兪、肝兪、血海。解毒作用を強化する為に、肝兪と血海にしました。血液の中の毒素が減れば、指が痒いのが減ると思います。

今日子供の状態を見た限り、だいたいオッケーです。しかし、お母さんが言うのは病院の治ったという診断書がないと幼稚園に戻れない。

今日で治療を終わりにしたかったけど、念のために来週もう一度針をすることにしました。

治した鍼灸医が診断書を出すのは違法。
治ったかどうかは、治療もしてない西洋医学の診断書が要る。

不思議な医療世界です。

5回目:ほぼ正常なので、特に治す所なし

2017年4月28日。
5回目の鍼治療。

特に治す所がないので、強化する為に前回と同じツボを刺しました。その後はずっと来てないです。

病院の先生は川崎病が治ったと診断した

2017年5月30日
久しぶりに来たお母さんに、娘さんの体調を聞いたら、5月の頭ごろ検査した時、皮膚の荒れもないし他の症状もなかった。病院の先生は、「川崎病はもう大丈夫!」と診断書を書いてくれたそうです。病院の診断書があるので、今は普通に幼稚園に通っている。

子供は他に痰が多いなどの自覚症状はあるけど、川崎病で困ることはもうなくなりました。

お母さんの鍼に対する信頼、ありがとうございます。
無事解決し、私も一安心です。

患者が良くなって一安心

川崎病のいちご舌、皮膚のかゆみを中医学理論で解釈する

西洋医学でいう川崎病を、中医学の角度で分析しようと思います。

特徴的なイチゴ色のベロ(舌苔)。
中医学の理論では、ベロは心臓がコントロールします。ベロの色が変わるのは、心臓の調子が良くないのを示す。あと、普通はベロの上に薄い白い膜があるはずなのに、これがないのは胃の調子が良くないことを示す。食欲不振の症状が多い。

つまり、ベロだけで心臓と胃、2つの臓器と関係があります。

全身の皮膚のかゆみがあって脱皮する。これは血液中の毒素が多いからです。

解毒に関わるのは、一番目に肝臓だけど、鍼灸では大腸経のツボで解毒します。なぜなら、毒素は大便から出る時が多いからです。

健康な人は必ず1日1回はバナナ便が出るので、この常識も忘れないで下さい。

川崎病の子供は便秘だったので、天枢穴と中脘穴で便通を良くして、その後の残りのかゆみは合谷穴などで解決。

  1. 心兪で心臓の強化。
  2. 天枢と中脘穴で血液毒素を大便から出す。
  3. 胃を強化して食欲不振を治す。

(便通が大丈夫な子供は、曲池と血海を選んだ方が良いと思います)

以上のことで、子供の川崎病が治りました。

皮膚のかゆみに関して、鍼治療の効果は著しいです。以下はもう一つの難病だと言われる貨幣状湿疹を治した例。大人なので数ヶ月かかりましたが、ステロイドで抑えるしかない皮膚病を治しました。

14歳以下の子供は、気がとても強いです。
現代の言葉で言うと、生まれつきの免疫力がとても強い。(大人の免疫力がめちゃくちゃ低いのは、考え過ぎと運動不足、ゴミ食品を食べ過ぎ)

鍼は置鍼する必要もなく、刺して少し回せばすぐ気が回ります。治療の回数も、大人みたいにかかりません。

西洋医学では治療しないと心筋梗塞になると言いますが、それは西洋医学の治療を受けたからです。つまり、心筋梗塞は西洋薬の副作用。

中医学の理論から言うと、手足が温かい人は、心筋梗塞になりません。 

心臓病に関する中医学の論文は、以下の記事が参考になります。

川崎病の治療薬は副作用が多いので、第一選択にしてはいけない

川崎病で使う西洋薬は、主に2種類あります。

  1. アスピリン系の薬
  2. 免疫グロブリン

治療効果は後にして、我々は先にその副作用を知らないといけません。

アスピリン系の薬の副作用:胃出血・脳出血

アスピリンは痛み止め、血栓症の予防としても処方されますが、副作用も著しいです。最も多いのは、胃の出血。

アスピリンは血栓を溶かすと言われるけど、血管の壁も溶かすので壁がもろくなります。一旦、脳内血管が破れた場合、結果は恐ろしい。

クモ膜下出血.脳出血になった人は、西洋薬の飲み過ぎが原因です。

誰々さんがクモ膜下出血で緊急入院、手術をして一命を助かったニュースを見たことがあるけど、笑うしかないことです。病院の薬を飲んだから、クモ膜下出血になったのに、今はまた病院の治療で一命を取ったと言いますね?

アスピリンのほかの副作用は、ニハイシャ先生1が書いた論文が参考になります。

免疫グロブリンの副作用は、山ほどある

以下の引用文献を見てください。
これを見ても、試してみたいでしょうか?

ちなみに、赤いふと文字は致命的な病気です。

重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、肝機能障害、黄疸無菌性髄膜炎、急性腎不全血小板減少、肺水腫が報告されています。 この他にも悪心、嘔気、皮疹、悪寒、発熱、頭痛等の報告があります。

引用先:免疫グロブリン製剤の安全性 一般社団法人日本血液製剤協会

西洋薬を使う前、自分で調べるべき。
お医者さんは重篤な副作用を言わない、副作用を知らないお医者さんも多いです。

「病院の治療は、絶対こんなに早く治らない」と親が話した

中医学の漢方薬と鍼灸は西洋薬と違って、副作用がない。効果が現れるのは、西洋薬よりも早いです。

子どものお母さんとおばあちゃんは言いました。
「病院の治療を受けたら、こんなに早く治らないと思う。」

この子供の例を書いたのは、皆さんに川崎病は他の治療方法もあることを伝えるため

ハイリスクの薬を使う前、鍼灸治療も検討する親が増えることを願います。

(おわり)

  1. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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