こんにちは、李哲です。
倪海夏(ニハイシャ)先生1の治療日記、紅斑性狼瘡案例(2007ー10ー25発表)を翻訳しました。
全身性エリテマトーデス(SLE)は漢方薬で完治できるので、漢方薬治療を希望する方は台湾の中医学診療所を薦めます。私が研修に行ったことがある病院で、信頼できる先生たちです。電話番号などの情報は以下の記事をご覧ください。
全身性エリテマトーデス患者の症状と病気の原因
08/31/2007。
初診。
患者さんは白人女性、67歳。地元の病院で、「全身性エリテマトーデス(SLE)」だと診断されました。
彼女はSLEだと診断されたあと、すぐ取った行動は当院にきたこと。なので、彼女は西洋医学の治療をいっさい受けていません。
彼女の主訴は以下の通り。
- 体重は5kg減少した
- 全身に紅斑が広がり、正常な皮膚がないくらい
- 3か月続いて、髪の毛が抜けている
- 唇周りは乾燥して赤くなり、熱くて痛い
- 耳の中は非常に乾燥して熱い
ほかに問診で分かったのは、
- ひどい不眠症
- 口中は乾燥している
- 便通は良い
- 冷たいものを飲みたがる
- 両脚は氷みたいに冷たい
- 食欲は良い
- 不思議なのは、お腹空いたときに何かをすぐ食べないと必ず頭痛になる
脈診では数、大。
舌診では中黄湿。周りは濃い赤色。
督脈を押してみると、第五番下に圧痛点がある。
私の診断は、寒熱が混ざっているタイプ。
眼診から分かるのは、肝臓の毒素が多い。
肝臓に毒素が溜まって、体内に余分の母乳が溜まっている。そして、心臓が弱くなり、毒素と母乳が逆流して心臓に入ったのが、彼女の全身性エリテマトーデス(SLE)の原因です。
1回目の処方箋と説明
肝臓病を治すとき、患者さんは全身に赤い発疹が出ます。これは肝臓の毒素が、体内から出てくるから現れる現象。逆にこの症状を根拠にして、処方箋が書けます。
私の処方箋には、柴胡、ウコン、オウゴン、竜胆草、茵陳、梔子で肝臓の毒素を解毒。
山薬、ヨクイニン、茵陳、芡実で脾臓を強化し、唇周りの乾燥を治して陽気を強化。
連きょう、銀花、蝉の抜け殻、蛇の抜け殻、杏仁で皮膚のかゆみと固くなっている皮膚を治す。
酸棗仁、牡丹皮、芍薬できれいな血液を肝臓に戻して、不眠症を治すことができる。
上記の処方箋、2週間分を出しました。
▼李哲の説明:
不眠症に関して鍼治療の効果も良いです。以下は疲れているのに眠れない女性。鍼した夜から寝られるようになりました。
2週間後、紅斑が半分減って、睡眠は良くなった
09/12/2007。
彼女の報告:
- 体中の紅斑は半分くらい減りました
- 髪の抜け毛は変化ない
- 睡眠は良くなった
- お腹が空くと頭が痛いのはまだある
- 唇周りはまだ乾燥している
診断から分かりますが、進歩はしています。
ただし、体内の冷えはまだまだある。
追加した生薬は、生のトリカブト3銭、呉茱萸3銭、乾姜2銭、当帰3銭、側柏葉5銭。また2週間分を処方しました。
▼李哲の説明:
臨床の例を見ると、コーヒーを止めただけで、睡眠の質が変わります。すでに検証した女性がいるので、どうぞ以下の記事をご覧ください。
4週間後は食欲、睡眠は良くなり、足が熱くなるときがある
09/27/2007。
前回の漢方薬を飲んでから、
- 胸がたまに苦しくなる
- 食欲と睡眠は良くなった
- 髪の毛が抜けるのは、まだある
- 耳中の圧力は、まだ大きい
- たまにドキドキする
- 両足はまだ氷みたいに冷たい。でも、たまにすごく熱く感じる
私が追加した生薬は、半夏4銭、代赭石三銭、熟地黄3銭、桂枝4銭、天南星4銭。2週間分を処方しました。
8週間後、体の紅斑は全部消えて、睡眠が良くなり、体力はだいぶ戻ってきた
10/23/2007
彼女はお金がなくて、診察に来れなかったそうです。
今日来て話したのは、
- 体力はだいぶ戻った
- 睡眠は良い
- 両足はまだ冷たい
- 胸はたまに苦しくなる
- 左の偏頭痛と目が痛い
- ドキドキするのはまだある
でも、全身の紅斑は、全部消えています。
第五番胸椎下の圧痛もなくなりました。
もしこの時、西洋医学の診断を受けたら、全身性エリテマトーデス(SLE)はもう治っているはず。しかし、中医学の基準から見ると、彼女の回復はまだ時間が必要です。なぜなら、両足がまだ冷たいからです。
▼李哲の説明:
足が冷たいと健康状態が宜しくないです。ほかにもチェック項目があるので、どうぞ以下の記事をご覧ください
中医学の健康に対する基準は、西洋医学よりも厳しい
我々は患者さんの両足が温かくなるまで、治療しないとダメです。そうじゃないと、病気の根本を切ることができません。
彼女の回復が早かったのは、病院の薬を飲んでないのが主な原因です。一般的に西洋医学はSLEを治すとき、ステロイド剤でコントロール。ステロイド剤は一時的に効果はあります。でも、後々で中医学治療の邪魔になる。中医師の難治度が上がって、不治になるケースもあります。
西洋医学の先生たち、もしSLEの患者さんを見たら、直接中医学の治療に任せて下さい。治療の難治度も上がらないし、治療のタイミングを逃さない。患者さんの救いになります。
(生徒さんへ託す言葉は省略)
(おわり)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
コメント