こんにちは、李哲です。
倪海夏(ニハイシャ)先生の治療例A L S ( Lou Gehrig )を翻訳しました。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、西洋医学で不治の病です。原因不明なので治すようがありません。しかし、中医学ではその原因が分かる。2千年前から治療する処方箋がありました。 ニハイシャ先生の弟子が治した例もあるので、参考にしてください。
なお、漢方薬治療を求める方は、台湾診療所に行ってみる事を薦めます。電話番号、住所などの情報は、以下の記事をご覧ください。
片足と両手に力が入らない、不眠症、極度の倦怠感・冷え性に襲われた筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者
04/11/2007、晴れ。
白人女性、1960年生まれ。 彼女は今年の2月2日、西洋医学の診断で 「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」だと言われました。
彼女が言うのは、去年の8月から体調不良に気づいた。具体的な症状は以下のとおり。
- 右足に力が入らなくて歩けない
- 痙攣(けいれん)する
- 両腕も徐々に上がらなくなった
- 両手のコントロールが効かない
- 後頭部と首、背中は痛い
- 極端の倦怠感
問診で分かるのは、
- 不眠症
- 便通はまだ良い
- 小便は中の黄色
- 食欲は良い
- 喉は渇く。今は温かい水が飲みたがる。半年前までは冷たい水が欲しがった
- 寝る時は体がとても寒い
- 生理の周期は正常
- 手足は極端に冷たい。手は肘まで、足は膝まで冷たい
筋萎縮性側索硬化症(ALS)を台湾では「澗凍人」だと言います。アメリカでは「ルー・ゲーリッグ病 (Lou Gehrig’s disease) 」とも呼ばれてます。ルー.ゲーリッグは、アメリカの有名な野球選手、ちょうどこの病気で死んだのです。だからアメリカでは「ルー・ゲーリッグ病 (Lou Gehrig’s disease) 」とも呼ばれています。
私は過去に治療経験があります。しかし、患者さんはみんな途中で治療を止め、一つのサイクルを完走することができなかったです。
1回目の診察内容
彼女は最初に来たのは03/28/2007。当時の診察内容は以下のとおり。
- 脈診はとても細くて無力。
- 手足はとても冷たくて、倦怠感が強い。
脈診からは体内の冷えが分かります。彼女が最初に来た時、ちょうど脈診と症状はマッチングしていました。これはとても良い予兆です。
『傷寒雑病論』の法則によると、脈診と症状がマッチングしていれば治りやすい。もしマッチングしてないと治りにくいです。
彼女の最初の処方箋は、通脈四逆湯 でした。皆さんも『傷寒雑病論』を勉強したから、今は正しい処方ができるでしょう。
彼女の自覚症状は、『傷寒雑病論』に書いてるのと全く同じ。だから、私は最初に出した処方箋がこれです。『傷寒雑病論』DVDはすでに発売されているので、私は処方箋内容も公開します。
処方箋の解釈
生のトリカブト3銭 乾姜2銭、炙甘草3銭、茯苓5銭、白朮3銭、牛膝3銭、桂枝4銭、芍薬4銭、當歸2銭、細辛2銭、補骨脂3銭、沢瀉4銭。

乾姜(かんきょう):胃腸を温める作用がある生薬
9碗の水で3碗まで煮詰める。一日3回。食前。(読者の皆さん、私が処方箋を公開しても、あなたが温病派の中医師に会ったら無駄です。彼らに処方箋を渡しても使わないから)
処方箋の目的は、
処方箋は多くはないけど、同時に風寒湿気を取り除く。生薬たちはお互いに補うことができます。
初診の時は漢方薬のみで、鍼灸はしなかったです。
なぜなら、患者さんは気虚だから。そして、処方箋の分量を確かめるためにもあります。
漢方医の仕事
人によって丁度良い分量は違う。
処方箋の難しいところがここにあります。
- 診断が正しいだけではなくて、処方箋も正しい。
- 各生薬の分量までピッタリ。
これが漢方医の仕事です。
患者さんが帰る時、私は約束事をしました。
「3回だけ治療させてください。体に何も変わらなかったら、他の有能な治療院に行って下さい。なにも自覚症状の改善がないのは、漢方薬の無効を証明するから、続けて飲む必要がありません。この話を聞いて、あなたはきっと不安になるでしょう。私はあなたの時間とお金を無駄にしたくないからです。今日は1週間分を渡すので、来週また来てください」
煎じ方を間違えて多めに飲んだ患者
2回目の診察は4月4日。
彼女は私に会って話した最初の言葉は、「煎じ方を間違えました!」
私はびっくりして、どんな煮詰め方かを聞きました。
彼女が言うのは「最初の3日間は9碗の水で2碗まで煮詰め、残りの2日分は9碗の水で4碗に煮詰め、ちょうど今日でなくなりました」
私は聞いて、笑うのも怒るのもできませんでした。
飲み過ぎか飲み足りないか、どちも極端すぎ。本当に気が狂いそう!
私「最初の3日目は飲んで、唇がシビれる感じはありましたか?」
彼女「ないです」
不眠症が良くなり、手足の冷え性が緩和し、両手に力が入るようになった
私「飲んだあと、どんな感じですか?」
彼女「とても良いです。初日の夜から寝れて、冷たい手足は徐々に暖かくなりました。次の日から体力が増えて、両手には力が入るようになりました。現在、筋肉のこわばりがあって、たまには筋肉がつります。しかし、残りの2日分を飲んだときは、変わった感じはあまりなかったです」
話を聞いて、私は冷や汗をかきました。彼女は間違えて煎じたのに、トリカブト中毒にはなってない。

附子(ぶし、トリカブト)の画像
私はもう一度脈診をしました。
脈はまだ細くて無力。
これは体内の冷えがまだ多いことを示します。でも、体力は増えているので、今日は鍼灸を追加して効果をパワーアップできる。刺したツボは、陽陵泉、承山、曲池、陰谷、委中、天柱、大抒など。
そして、処方箋の分量を変えました。
ナマのトリカブトを4銭!
ほかは変動なし。
漢方薬は1週間分を処方。
鍼灸治療は明後日また行う予定です。
9日後、歩きやすくなって、体力と冷え性はさらに改善された
4月6日、彼女の報告:
前回の鍼灸を受けてから、こわばった体が急に溶けたように、筋肉がつらないし両肩は楽になり、首後の痛みも治りました。他の変化は以下のとおり。
- 歩くときはコントロールしやすくなった
- 体力は更に増え
- 睡眠の質はとても良くて、不眠症とはさようなら~
- 手足の冷え性は更に改善
彼女はとても喜んでました。
今日は4月11日、彼女の脈はまだ細くて力がないけど、それ以外は進歩しています。
彼女が話したのは、「There is a lot’s positive」(Google翻訳:ポジティブなものがたくさんあります)
2千年前の処方箋で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の諸症状は半分くらいよくなった
西洋医学は完全に治療法がありません。
患者さんが、ゆっくり死んでいくのを見るしかない。
しかし、西洋医学は「中医学の治療を受けなさい!」と患者さんにすすめません。メンツがなくなるから。
患者さんを死なせても紹介しない。
本当に図々しさの極点である。
彼女は『傷寒雑病論』の処方で、2週間で半分くらい進歩しました。2千年前の処方箋が時代遅れだったら、なぜ患者さんは良くなったでしょうか?
(問い合わせしてる患者さんに、アドバイスはできないと忠告する文は省略させていただきました)
(おわり)
コメント