こんにちは。李哲です。
倪海厦(ニハイシャ)先生1の症例、腎臟病案例與熱極生寒06/03/2006.を翻訳しました。腎不全の血尿・目クマがひどい・足の浮腫・不眠症・便秘などを2週間で治した例と体が熱い過食症を治すヒントを説明しました。参考にしてください。
血尿、目くまがひどい、腎臓が痛い、両足のむくみが二週間で治った腎不全患者
06/03/2006、晴れ、土曜日。
患者は白人男性、72歳。
今年の5月20日に来たことがあります。
当時の自覚症状は
- 右腎臓の激痛
- 尿には血まみれ
- 両足は浮腫んでいる
- 便秘がひどい
病院で検査をしたら、西洋医学の先生が言うのは、「おそらく癌です。確認するためには、とりあえず右腎臓を切って生検をし、その後は癌であるかないかが分かります。」

彼は先生の話を聞いて第一反応は、
「冗談じゃねー!!!
右腎臓を切って、その後抗癌剤。もし癌ではなかったら、右腎臓を失った事になる。もし左腎臓にも癌が見つかったら、どうするんだ?また腎臓を切るのか?!」
賢い彼はすぐ私を思い出して、病院から逃げてこちらに来ました。
当院に来たときの症状は、
- 目くまがひどい
- 尺脈は洪大
- 両足は浮腫んでいる
- 不眠症
- 便秘
- 排尿痛があって、尿には血まみれ
私の検査結果、彼は腎不全です。腎臓の老廃物が下腹部に溜まっている。彼は以前、腎臓結石で漢方薬治療を続けてました。
ちょうど私が22日から10日間くらい診療所にいないので、2週間の漢方を渡して「今日来てください」と伝えました。当時の処方箋には硫黄15g,加工したトリカブト(炮附子)25gなど入っています。
今日、患者さんの話を聞いたら、先週から体調が良くなっていたそうです。具体的にいうと、
- 便通は良くなり
- 尿量が増えた
- 血尿は治った
- 睡眠の質は良くなり
- 毎日5時~7時に発作する腎臓の痛みは、完全に治った
- 体力が戻った
- 目くま、両足のむくみも治った
奥さんが言うのは、「寝てる時ヨダレがでるくらいです」。
「こんなに調子が良くなるとは思わなかった!」と彼も喜んでました。
私が検査したら、まだ腎臓結石の反応がある。だから、煎じ薬を丸薬に変えて、腎臓結石が治るまで飲むことを薦めました。
西洋医学は数百万ドルの医療機器があるけど、結果的には中医学の一撃にもかなわない。
『傷寒雑病論』の効果は、もう一度アメリカ人に認められました。夫婦二人とも、漢方のパワーにびっくりしてます。
診断から治療までは一気。
簡単で有効。
患者さんは腎臓を切る必要もなくて、腎機能まで復活してます。
アメリカ人を治す時は、とても楽ちんです。アメリカ人は、西洋医学の無能と薬の副作用にとても詳しい。
しかし、中国人は?
西洋医学ばかり迷信してる。
西洋医学の治療でダメになってから、中医学の治療を探す。しかも、一発で治して欲しいという。
最初から中医学治療を受ければ、治すのは難しくないです。しかし、西洋医学の治療を受けてから来ると、治療は困難。
西洋医学の治療を受けてから中医学治療を求める人、私には尋ねないでください。ボロクソ言われるだけで、何にも役に立たない。
過度な肥満症、過食症、体が熱い症状に石膏が効かない場合、トリカブトで治せる
もう一人の患者さんは看護師、45歳。
主な症状は、
- 過度の肥満症
- 食欲はびっくりするくらい強い(過食症)
- 甘いものが大好き
- 身体がとても熱い
最初、彼女の処方箋に入れた石膏は1日分で250g。
今日で400gに増量しましたが、相変わらず体が熱くて体重も変わらない。
今日診察したら、舌は白暗い。脈診は沈細無力。
一般の中医学の先生は石膏を処方する時、1日で大体40gが限界です。私が使ったのは石膏400g!
なのに、彼女はまだ熱い。
これが『黄帝内経』で言う「熱極生寒」。
「熱極生寒」を解釈した症例は、ほかにもあります。以下の記事、どうぞご参考に。
「熱極生寒」に関して、知っている人が少ないので説明します。
中医学は治療する時、患者さんが熱がりの時は性質が寒い生薬を使う。寒がりを治す時は、性質が熱い生薬を使います。一般の中医学先生のレベルは、ここまでです。
この例みたいに、性質が寒い生薬をたくさん使っているのに、患者さんはどんどん熱がりになる。ほとんどの中医学の先生は両手をあげます。
しかし、経方家の場合は違う。
人体は太極図みたいな円型で、永遠に循環している理論を応用します。
患者さんが熱い限界を超えると、自然に寒くなる。私が使った薬は、性質がとても熱い生薬:ナマのトリカブト(生附子)、1日分で15g!
このような治療例は多いです。
過食症の患者さんは、トリカブトを飲んだ次の日から食欲が落ちて、暑い昼間でも体が寒くなる。
体内が冷え過ぎの患者さんには、性質が寒い生薬を使う時もあります。寒い限界を超えると、逆に暖かくなる。これが中医学の理論です。
(最後のニハイシャ先生が忙しくて、治療日記を書けなかった理由は省略)
(おわり)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
↩︎
コメント