【※本記事は2021-05-05更新しました】
こんにちは、李哲です。
アメリカの著名な中医学先生:倪海厦(ニハイシャ)先生*1の治療例を翻訳しました。中国語本文のリンク先はこちら
- 1100万円の医療機器を埋め込んでも、関節リウマチの痛みが取れない患者
- 関節リウマチを治す処方箋
- 烏頭は猛毒だけど、特別な加工をすれば、関節リウマチの痛みを治せて、変形した指関節まで戻せる
- 胸から背中にかけて痛いのは鍼1回で治った
- 「烏頭赤石脂丸」で烏頭を使うのは間違い
1100万円の医療機器を埋め込んでも、関節リウマチの痛みが取れない患者
08/05/2005、晴れ。
58歳の女性。
とても太っている。
彼女の主訴は関節痛。下半身の関節痛は普通の痛みだけど、指関節は既に変形しています。いわゆる西洋医学で言う関節リウマチ。
彼女が言うのは、「西洋医学のすべての鎮痛剤を飲んだけどダメでした。逆に鎮痛剤の副作用で、肝臓と腎臓の損傷を起こしています。今は痛くて死んだほうがマシ!」
最近、西洋医学は彼女のお尻に医療機器を埋め込んで、自動で定期的に鎮痛剤の注入ができるらしいです。設置費用は10万2千ドル(日本円で約1114万)。しかし、2ヶ月だけ効いて、その後は効き目がなくなりました。
現在は毎日痛い、眠れないくらい痛い。
余りにも痛くて、効き目がないから、彼女は医療機器を外そうとしました。そしたら今度、また1万ドルの撤去費用がかかる。
皆さんに言わせてもらいたいです。
これは死人にくっついてるウジムシと何が違いますか?死んだ人でも逃さないのが、西洋医学の商業利益を追求する極意。
▼李哲の補足説明:
西洋薬の会社が、どのようにボロ儲けするのかを暴露したドキュメンタリー映画があります。以下の記事、どうぞご覧ください。
- 関節リウマチが治せない。
- 痛みすら止められない。
- 患者さんがたくさんのお金を使った結果は、数え切れない後遺症。
アメリカの西洋医学すら、こんなにダメダメなのに、台湾の西洋医学は?アメリカの西洋医学より強いですか?私は信じません。民間の処方箋でも西洋薬より良いと信じてます。西洋薬より悪いものは、これ以上ないから。
▼李哲の補足説明:
漢方薬と西洋薬の違いに関して、ある生化学者が書いた論文があります。非常に勉強になるので、ぜひ目を通してみてください。
関節リウマチを治す処方箋
患者の最初の自覚症状は、
- 手足が氷みたいに冷たい。夜寝る時は、3枚の布団をかけても寒いと言ってました。
- 水を飲むのを忘れるくらい喉が渇かない。
- 倦怠感でずっと眠い。
- 舌は黄色くて湿気が多い。
- 脈はとても細くて力がない。
患者はとても太っているけど、私は大熱の生薬を処方しました。
- 烏頭桂枝湯 。
- 四逆湯をアレンジしたもの。
烏頭は2両(約60g)、1週間に分けて飲むように指示。生のトリカブトは、1日だけで5銭(約15g)を入れています。2種類とも大熱の生薬。でも、攻める場所が違うので飲み方も違う。2つに分けて使うから、関節リウマチの痛みを取ることができます。
烏頭は猛毒だけど、特別な加工をすれば、関節リウマチの痛みを治せて、変形した指関節まで戻せる
皆さん、よく覚えてください。
西洋医学はよく「烏頭は猛毒で、とても危険」と言いますが、西洋医学は漢方薬の本を読んだことがないからです。
中医学で使う烏頭は、みんな加工したやつ。生の烏頭を、そのまま使いません。加工過程は特別で、加工したあとの烏頭は毒がないだけではなくて、関節リウマチの痛みを治せて、変形した関節まで戻せます。
▼李哲の補足説明:
関節リウマチで変形した指関節まで戻った女性の例は、以下の記事を参考にしてください。
烏頭みたいな猛毒な生薬を何年も経っているけど、中毒した患者さんはまだいません。嘆くしかないのは、現在中国で使い方が分かっている先生が少ないこと。一般の中医学先生は、烏頭を聞いただけで魂まで飛び散っています。
あなたがもし中医学を信じないなら、上に書いた事例がちょうど教訓になります。それでも、漢方を信じないで西洋医学を信じるなら、もう仕方ない。
胸から背中にかけて痛いのは鍼1回で治った
烏頭を話したので、今日もう一人の例を挙げて皆さんに説明します。
彼女が来たときの症状は、
- 胸から背中にかけてとても痛い
- 深呼吸ができない
- 頭を振り返ることもできない
診察室に入った瞬間、彼女が言ったのは「Dr.Niしか治せないのを知っています」
人紀クラスの生徒さんは、私の鍼灸のやり方を知っているはず。針を刺したら、胸から背中にかけての痛みは、その場で治りました。その後は、『傷寒雑病論』に書いてある「烏頭赤石脂丸」 を処方。これは、ある心臓病を治す専用処方です。
▼李哲の補足説明:
心臓疾患に対して漢方薬の効果はいかなるものか、一つの症例があるのでどうぞご覧ください。心筋梗塞でも、ビックリするくらい速く治ります。
「烏頭赤石脂丸」で烏頭を使うのは間違い
現在残っている『傷寒雑病論』に書いてる処方は正しくないです。張仲景先師は、心臓病治療で烏頭を使うワケがない!年代が古くなり、漢朝の文章はまだ竹に書いてたから、途中で脱落した可能性があります。
臨床で『傷寒雑病論』に書いてるままの「烏頭赤石脂丸」は、効き目がありません。だから、私はその中の烏頭をほかの生薬に変えて、名前を「烏金丸」と命じています。内容を変えたあとの「烏頭赤石脂丸」は、一発で効き目が分かる。
現在、私と私の学生さんだけこれを知っています。一般の中医学先生は、本当の「烏頭赤石脂丸」処方が分かりません。しかも、「烏頭赤石脂丸」は必ず丸薬にしないといけない。煎じ薬になると、効き目がありません。
丸薬にする目的は、漢方薬の力がゆっくり中に入るようにする為。煎じ薬だと速すぎて、病気の根本を治せません。
▼李哲の補足説明:
古代医書の文献を翻訳しながら、なぜ漢方薬には様々な形があるのかを説明しました。参考になると幸いです。
*1:倪海厦(ニハイシャ)先生の紹介文は、リンク先記事をご覧ください。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介します
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